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 「富士通の目的は、ここから新しい事業を生み出すこと」。この4月、東京・赤坂にグランドオープンする会員制工房施設を運営するテックショップジャパンの有坂庄一社長は、富士通が100%出資で同社を設立した狙いをこう語る。3Dプリンターや工作機などモノ作りに必要な機材を揃えるテックショップは、どんな事業を創造するのだろう。

破壊される既得権益モデル

 伝統的なIT企業は、より高性能なハードやソフトを開発・販売したり、これらをベースにしたシステム構築を請け負ったりするビジネスモデルである。そこに、ハードもソフトも売らない米グーグルや米フェイスブックなどの新興勢力が登場した。米ウーバーテクノロジーズなど既存事業を破壊するネット企業も、続々生まれている。さらにデジタル企業を目指す米GEのような製造業の台頭で、IT産業の既得権益モデルが破壊しつつある。

 最も影響を受けたのは、米IBMだろう。同社の売上高は、2004年度の962億ドルから15年度に817億ドルと約150億ドルも減少した。とりわけハードウエア事業の落ち込みが著しく、04年度に約320億ドルあった売り上げは、15年度に75億ドルと4分の1になった。

 危機感を抱いたのか、IBMはクラウドやアナリティクス、モバイル、セキュリティを戦略分野と位置づけ、集中的に投資する。その結果、これら分野は、売り上げベースで15年度に289億ドルと、全体の35%を占めるビジネスに成長。中でもクラウドサービスは、50%増の45億ドルに拡大する。ジニー・ロメッテイ会長兼CEOは、2月の投資家向け説明会で、戦略分野に15年度から40億ドルを投資し、18年度に売り上げを400億ドルに拡大すると明言した。