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 富士通の次期社長である田中達也副社長は、4月30日の2014年度決算説明会で、「私がすべての事業を精査し、計画を見直す」と述べた。14年5月に公表した中期経営計画で目標とした、「16年度に営業利益2500億円を確保」するのが容易な状況でないためか、まず目標を「15年度の営業利益1500億円」に設定し直した。

 最大の問題は、半導体事業など既存事業の構造改革に多くの時間を取られたことにあると思われる。山本正已社長は14年5月に、「構造改革は一定のめどがついた。14年度から成長戦略を経営の焦点にする。投資拡大を図りながら、利益を追求する」と語り、医療や農業をはじめとする新領域の開拓を推進してきた。

 だが、田中副社長は「今年度の計画を作る中で、課題を認識した」という。一つは、先行投資の回収が早まること。新しいソリューションの開発に力を入れているが、収益化に課題があるということだろう。

 もう一つは、サービスモデルへの転換の遅れではないか。受託開発という伝統的なビジネスや、サーバーやストレージなどのプロダクト販売に依存したビジネスでの成長は、限界にきている。低収益のパソコンや携帯電話などは、競争激化で非常に厳しい状況にあり、赤字に転落する可能性は低くない。田中副社長は、成長を維持する確実な計画を作り、スピーディに実行する考えのようだ。

 一方のNECだが、年間売上高が3兆円を切った。2000年度には約5兆4000億円あったが、半導体やコンシューマPC事業などの非連結化で、数字はどんどん下がった。4兆円を割った09年度以降も減収を続けており、14年度はついに2兆9355億円になる。NECビッグローブの非連結化の影響はあったが、それは織り込み済みだっただろう。