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 「デジタル化が雇用に大きな影響をもたらす」。アクセンチュアの関口朋宏戦略コンサルティング本部シニア・マネジャーは、「モノ作りからサービス」への転換が進む時代の競争の源泉はソフトウエア開発の能力と分析すると予想する。

 ソフトが既存市場を破壊し、競争環境を一変させると考えた企業は、率先してソフトエンジニアの獲得に乗り出し始めている。ファーストリテイリングのように、データサイエンティストを始めとするソフトエンジニアの採用を活発化する企業が増えれば、IT企業から顧客企業へと人材シフトが起こる。受託ソフト開発を展開するIT企業には、どんな明日が待っているのだろう。

 アクセンチュアによると、ビジネスとITが融合するデジタル時代に必要なソフトエンジニアは、従来とは異なるという。ERPなどを使った企業システムを構築する力ではなく、快適な生活を考える人材。分かりやすく言えば、ERPなどのベンダー資格を持つことに大きな価値はないということだ。

 その代わりに、グーグルが提唱するスマート・クリエイティブのようなソフトエンジニアの価値が高まる。膨大なデータを分析するデータサイエンティストなど、ITを使って新しい価値を創造するソフトエンジニアや、新たな顧客体験(UX)を創り出すソフトエンジニアといえる。顧客体験とは、例えばクラウド型会計ソフトを提供するfreeeにみられる。「会計知識のない人に使えるものにすること。システムのあり方の発想が違う」(関口氏)。

 そうした中で、IT企業はどんな姿を描いているのだろう。企業のIT化を支援する立場を続けるのか、一歩踏み込んで企業のビジネスを支援するのか。企業とIT企業のビジネスの垣根が低くなり、企業が手がけるビジネスそのものを手がけることもありえる。例えば、自動運転技術に取り組むことによって、自動車メーカーとの関係がより太くなることはあり得る。新たなUXやUI(ユーザーインターフェース)を取り込んだサービスを開発するIT企業が増えるのは、必然的なことかもしれない。