PR

 富士通は、9月末から本格提供を開始したパブリッククラウドK5を中核とするクラウド基盤「デジタルビジネス・プラットフォーム」を戦略商品に位置続けて、クラウド関連売り上げを14年度の約2400億円から17年度に約4000億円に引き上げる作戦を展開する。業績が伸び悩む中で、成長するクラウドビジネスに経営資源を振り向けるのは当然のこと。だが、サブスプリクションモデルは一時的に利益を圧迫し、長く付き合ってきたパートナー企業との関係に支障が生じる。そうした問題を解決し、どう成長軌道に乗せるのだろう。

 9月29日の記者会見で、阪井洋之執行役員常務は「IaaSとPaaSを活用したシステム構築事業の取り組みに不十分だった」とクラウド事業の出遅れを明かす。不十分とは、おそらくパブリッククラウドの導入実績が少ないということ。わずかな実績も新規システムで、基幹系など既存システムをクラウド化したケースは稀だったようだ。

 理由の1つは、プライベートクラウドやSI事業を中心に展開してきたこと。運用を含めたSI工程を大幅に削減するパブリッククラウドを扱うことによる業績への影響を懸念したからだろう。パートナーの受託ソフト開発会社やシステム販売会社との関係が崩れることの心配もあっただろう。

 従って、富士通のシェアは小さい。クラウド基盤のIaaSとPaaSの国内市場におけるシェアは、わずか6%(14年度)だったという。S5とA5(マイクロソフトのAzure)に、ニフティのクラウドなどを合せた数字で、売り上げはおそらく数十億円といったところだろう。それを、20年度に15%とするという。クラウド市場の成長予測から考えると、14年度の5倍程度になる。達成は容易なことではない。

 そこで、手はじめ富士通社内とグループ会社の約640システムを、15年2月から20年度まで約5年をかけてクラウドに移行し、参照モデル作りと移行ノウハウを蓄積する。移行に時間がかかるのは、投資の回収と更改時期に合わせるからだという。UNIXやメインフレームをクラウド対応させる時間も少しかかるようだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料