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 「2022年度(23年3月期)の営業利益1000億円、営業利益率14%超に」。野村総合研究所(NRI)が、16年4月にスタートする中長期経営計画「Vision2022」に掲げた数値目標だ。15年度(16年3月期)の見込みに比べて売り上げを3000億円弱、営業利益を400億円強、それぞれ増やす挑戦的な数字である。

 挑戦の背景にあるのは、大企業病の芽生えに関する経営陣の危機感と見ている。

過去の延長線に未来はない

 11月28日、7000人近いNRI社員が参加した創立50周年の記念行事で、16年4月に嶋本正会長兼社長が会長に、此本臣吾専務執行役員が社長に就く人事を公表した。此本専務は「目標は、過去のトレンド上にはない。今までとは違う不連続なことをやらなければ達成できない」と、11月30日の新社長就任会見でもイノベーションの必要性を強調した。

 ミッションクリティカルな基幹系システムと共同利用型サービスを展開するNRIは、業界他社を上回る業績を確保する。嶋本社長が社長に就任した10年4月の業績(10年3月期)は、売上高3386億円、営業利益400億円だったが、16年3月期の見込みは売上高4250億円、営業利益580億円へと大きく成長を遂げる。営業利益率も13%前後と、業界トップクラスの高業績を維持している。

 確かに優秀な技術者を数多く抱え、抜群な技術力で野村証券やセブン&イレブンなど日本を代表する顧客企業を支援する。共同利用型サービスの売り上げは20%を占めるまでになり、事業構造は変化したという。具体的には、共同利用型の証券向け基幹システムTHE STARは中堅企業から大手に広がり、「金融のバックオフィスは受託開発からサービスへと変わった。(野村証券も導入した)STARは、証券会社向け基幹システムのシェアは約50%、資産運用(T-STAR)は約80%になる」(嶋本会長)。

 まさに、業界の“お手本”的な存在といえる。だが、そんな状況に満足し、安心しきっていることはないのか。5年前に打ち出した、ナビゲーションとソリューションをかけわせて新しいITサービスを創り出す試みは、成果が上がったのだろうか。此本専務は「経営コンサルティングとITコンサルティングの組み合わせで、他にない価値を提供できる。だが、まだやり切れていない」と明かす。