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写真●厚生労働省は「高度プロフェッショナル労働制」の2016年4月施行を目指す
写真●厚生労働省は「高度プロフェッショナル労働制」の2016年4月施行を目指す
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 厚生労働省は2015年1月16日に開催した労働政策審議会の分科会で、労働形態に関する新制度案を固めた(写真)。新制度の名前は、「高度プロフェッショナル労働制」。労働時間規制を外し、成果主義に基づき報酬を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ぶ仕組みを導入する。1月26日召集の通常国会で労働基準法改正法案を提出し、2016年4月の施行を目指す見通しだ。

 高度プロフェッショナル労働制の肝は、労働時間と報酬とを連動させないことにある。原則1日8時間、週40時間までとする労働時間規制を取り払うので、残業代や深夜・休日手当という概念もなくなる。「長く働いても給料は増えない」わけだ。

課長、PMは人ごとではない

 厚労省は分科会の報告書骨子案で、適用対象となる職種・業務の例や年収基準、長時間労働対策の内容を示した。

 対象業務としては、「高度の専門的知識等を要する」、「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」ものと定義。具体的な職種として、「金融ディーラー」、「アナリスト」、「金融商品の開発」、「研究開発」、「コンサルタント」の5職種を例として挙げた。正式には、法案成立後に省令で規定する。

 新制度の対象となる年収基準も定める。こちらも省令で規定する予定だが、骨子案では1075万円という年収額を一つの基準とした。

 労働者の健康維持を目的に、一定の長時間労働防止措置についても言及している。企業側が労働時間を把握する必要性や、新制度適用者に対して、1年間で104日以上の休日を取得させるといった内容である。

 これで新制度の中身は、ある程度明らかになったと言える。ただし、我々として気になるのは、IT関係者への影響だ。結論は今後の国会審議を待つ必要があるものの、ユーザー企業やIT企業に務める課長職、プロジェクトマネジャー(PM)などの層にとっては、人ごとではなさそうだ。

 厚生労働省労働基準局の分部唯宇法規係長に、素朴な疑問をぶつけてみた。


対象職種にIT関係者は含まれるか。

分部氏:対象業務や職種は、成果が客観的かつ定量的に測れるものに限る。(骨子で一例として挙げた)金融ディーラーは、稼いだ金額が明確に分かる。対象業務は省令で決めていく。

 ITに関係するところでは、2015年1月16日の労働条件分科会で、日本経済団体連合会(経団連)が「ホワイトハッカー」、「データサイエンティスト」、「デザインシンキング(業務)」といったものを例示している。今後、具体的に決めていく方針だ。