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日本には「熟練農家の技」という特筆すべきノウハウがある

 海外にも熟練農家はもちろんいるが、日本の農作物に対する評価は高く、日本の熟練農家の技は世界的に見てもトップレベルにあると言えるだろう。

 ただ、農業には「水やり10年」という言葉があり、熟練農家の技の一部でも身につけるにはどうしても時間がかかる。熟練農家の技の多くは「暗黙知」であり、本人ですら適切に言葉にするのが難しいのだ。

 それは、産業として見た場合、スケールさせることが難しいという問題であり、農業の発展を阻害してきた面があるように思う。日本には優れた技術(=おいしい農作物を作る技)があるのに、もったいないことだ。

 そうした状況で立ち上がったのが、先に登場した神成准教授である。日本の「熟練農家の技」に注目し、ITを駆使して農業の新たな可能性を拓こうと奮闘している。熟練農家の技を短期間に習得できるようにするほか、農作業の「気づき」と「判断」だけを安全に海外に輸出する「Made By Japan」(日本の技で作った農作物)の実現を目指している。

 こうした取り組みを「AI農業」と呼ぶ。AI農業の「AI」とは、「人工知能(Artificial Intelligence)」の研究も包含する、「農業情報科学(Agri-InfoScience)」を指している。