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 一刻も早く「普通の会社」に戻す――。

 パナソニックの津賀一宏社長がこう宣言してから、3年近くが経過した。聖域を設けず、事業構造を大胆に入れ替えたことで、復調が鮮明になってきた。パナソニックは2012年3月期、2013年3月期と2期連続で7000億円を超える巨額赤字に沈んだが、2015年3月期は連結純利益が前期比45.3%増の1750億円を見込む。

 大がかりな改革の陰に隠れがちだが、モノづくりを支える「現場力」も着実に高まっている。その象徴が、業務用冷蔵庫や店舗用ショーケースといった「コールドチェーン(低温輸送網)」を支える製品群を生産する群馬工場(群馬県大泉町)だ。

 筆者は2015年3月上旬、群馬工場を訪ねた。日経情報ストラテジー2015年5月号の特集で、群馬工場の最先端ITを活用した生産革新の取り組みを取材するためだ。

 群馬工場で生産するコールドチェーン関連の製品群は多岐にわたる。顧客ごとに仕様が異なり、機種数は4000ほどに達する。1メーカーでこれだけ幅広く手掛けているところはほかにないとみられる。

 膨大な機種数を抱える状況で、生産効率を維持・向上するためにどうするか。そこで、目を付けたのがウエアラブル端末。群馬工場は2014年夏に一部工程にウエアラブル端末を導入した(写真)。ベテランの作業者のスキルやノウハウを記録・管理し、皆で共有している。

写真●筆者がブラザー工業のウエアラブル端末を装着し、作業を実体験している様子
写真●筆者がブラザー工業のウエアラブル端末を装着し、作業を実体験している様子
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