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 かつて本欄で「大きくて薄いiPad Airと、小さくてきれいなiPad mini Retinaで悩む」と題した記事を書いた。お陰様で多くの人に読まれ、ありがたいことに2013年のITpro年間アクセスランキングで1位を獲得することができた。発表されたばかりの注目の新製品の話で、かつ読者の関心が極めて高かったためだ。

 あれから2年半。あんなにホットだったタブレット端末を巡る状況も今や様変わり。ポジティブに考えれば、それだけタブレット端末が身近な存在となり、日常の光景になったのだろう。実際、都内などでは電車の中でタブレット端末を手に電子書籍を読みふける人を普通に見かける。半面、一時はポストPCの担い手として、従来型のノートパソコンを置き換えるかに見えたその勢いに陰りが見られるのも事実だ。

 iPadで実質的にタブレット端末市場を切り開いたアップル自身、この数四半期におけるiPad事業部門は台数、金額とも前年割れが続いている。昨年秋には12.9インチサイズの巨大な「iPad Pro」を発表したが、前年同期比で出荷台数25%減、売上高21%減という直近(2015年9-12月期)の数字を見る限り、ビジネスを再加速させるまでには至っていない。

 実際、12.9インチのiPad Proは、持て余し気味な画面サイズと相まって使い手を選ぶ。その意味で、今回新たに登場した9.7インチモデルこそがiPad Proシリーズの本命なのは間違いない(図1)。

図1●専用ペン「Apple Pencil」とディスプレイカバーを兼ねたキーボード「Smart Keyboard」を装着した「iPad Pro」の9.7インチモデル。
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図1●専用ペン「Apple Pencil」とディスプレイカバーを兼ねたキーボード「Smart Keyboard」を装着した「iPad Pro」の9.7インチモデル。

近年購入したデジタル関連機器の中では最良の買い物

 アップルによれば、この5年間に全世界で販売されたPCは6億台あり、iPad Proが今後置き換えていく対象となりうるのだという。だが、個人的な経験で言えば、iPadが既存のPCを置き換えるかどうかに関係なく、もはやこの端末が自分に取って、なくてはならない存在になっている。