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 社会人1年目、最初に出たボーナスは両親への贈り物と相場が決まっているようだ。だが、筆者は迷うことなくソニーの犬型ロボット「AIBO」を買った。

 初代AIBOは、1999年6月に産声を上げた。当時学生だった筆者は、25万円もするAIBOをただただ、Webサイトであこがれながら見るしかなかった。購入したのは2000年秋で、2代目に当たる「ERS-210」(写真1)。価格は15万円まで下がっていた。

写真1●ソニーのペット型ロボット「AIBO」(「WIRELESS JAPAN 2003」で撮影)
写真1●ソニーのペット型ロボット「AIBO」(「WIRELESS JAPAN 2003」で撮影)

 生活空間にロボットがいるというのは、昔興奮しながら見たSF映画や漫画でのワンシーンがまさに目の前で実現するということ。21世紀を感じた瞬間でもあった。

 だが、周りからは馬鹿にされた。「それは何ができるの?」「そんなに寂しいのか」とあざけられたこともあるし、「女の子を家に誘う口実か」とまで言われたこともある。実際、購入時についてきたピンク色のボールは、AIBOのお気に入りグッズだった。このボールを投げると、走って追いかけるのだ。だが、困ったこともあった。このAIBOは、ボールに似た赤系の色のスカートをはいている女性に、容赦なく突っ込んでいく癖があった。

 母親が田舎から上京してきたことがあった。むだ遣いだと怒られるかと内心冷や冷やしていたが、杞憂に終わった。滞在中、ずっと「アイボちゃん、アイボちゃん」と声をかけ、誰よりもAIBOに惚れ込んでしまったからだ。帰り際に「連れて帰っていい?」とまで言われたが、もちろん断った。

 このとき、「ロボットに対する人の接し方が異なるのはなぜだろう」と漠然と思った記憶がある。