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 やはりウサギはカメに追い抜かれるのが宿命か---。マイナンバー制度で個人が自身の登録情報の確認などに使えるサイト「マイナポータル」は、これまで2017年1月に運用が始まる予定だったが、半年遅れの2017年7月開始にずれ込む見通しになった。

 マイナポータルの開設と同時に始まる計画だった国の機関間の情報連携も、併せて延期される。結局、当初から2017年7月スタートの計画だった自治体を含めた情報連携のタイミングで、マイナポータルの運用と、国の機関と自治体を合わせた情報連携が、一斉にスタートを切ることになりそうだ。

 予兆はあった。2015年末頃から、政府機関の研究会などの配布資料では、マイナポータルの開設時期である「2017年1月」の箇所に、それまでなかった「?」マークが付くケースが出てきた。決定的だったのが、4月下旬に各家庭に配られた政府広報「マイナンバーまるわかりガイド」での記載。マイナポータルの開始時期として「平成29年(2017年)7月頃から」と明記された。

 政府関係者が国の機関間の情報連携とマイナポータルのスタートを半年遅らせる理由として挙げるのが、日本年金機構の情報連携の開始遅れである(関連記事)。2015年6月に公表された標的型サイバー攻撃による年金個人情報の大量漏えいを受け、同機構でのマイナンバーの取り扱い開始はおおむね2017年12月以降に延期されることになった。年金システムでのマイナンバー対応のためのシステム開発は続いているものの、2017年1月に情報連携を始めても、当初は年金や健康保険、税の情報は含まれない。マイナポータルでは、せいぜい雇用保険の情報くらいしか見られないことになる。

 また、児童手当など子育てに関わる各種申請の手続きを、自治体の窓口に行ったり書類を郵送したりすることなく、マイナンバーカードを使ってマイナポータルから行えるようにする「子育てワンストップサービス」も、自治体が情報連携に加わるのが前提となる。このためサービス開始のターゲットは2017年7月であり、この点でもマイナポータルの運用開始を2017年7月に繰り下げても問題はないと判断したようだ。

 現時点で、マイナポータル(情報提供等記録開示システム)のほか、国の機関や自治体の間の情報連携を担う「情報提供ネットワークシステム」や、自治体の住民情報が集約される「中間サーバー・プラットフォーム」に関して、構築スケジュールの遅れを示す情報は明らかになっていない。東京都や埼玉県などの約10の自治体を交えた情報連携のテストは3月から始まっており、政府関係者によると「うまくいっている」という。

 カード発行管理システムの不具合などにより5月10日時点でマイナンバーカードの交付申請数が約1021万枚に対し、交付数は約381万枚にとどまっているように、システムの稼働後に不具合が見つかる懸念は拭えないものの、システム構築の遅れがマイナポータルや情報連携の繰り延べを招いたというわけではなさそうだ。