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 IT企業で働いていた前職時代、あるIT資格を取得した経験がある。腕試しのつもりで入門レベルの試験を受けただけだが、その合格がきっかけで異動の希望がかなった。現職に転職する際にも、一つのアピールポイントとして機能した。資格は持っておいて損はない、と実感した。

 だが、仕事をこなしながら資格取得の勉強をするのは容易ではない。夜、疲れて帰って来た後に参考書と向き合うのには、かなりの精神力を要した。難易度の低い試験ですらそうなのだから、高度な試験になるとより大変になるだろう。

 そんな苦労をしながら資格取得を目指して努力するエンジニアに、朗報がある。IT関連の資格取得講座を受講する場合、2017年10月以降、費用の補助を受けられるケースが増える。「教育訓練給付制度」の「専門実践教育訓練」対象講座の指定要件が緩和されるからだ。これによって、指定講座が拡大すると見込まれる。

 指定講座を修了すれば、受講費用の4割(年間で32万円が上限)が戻ってくる。修了から1年以内に実際に資格を取得し、雇用保険の被保険者として雇用されていれば、さらに2割が追加支給される。

 つまり最大で、6割(年間で48万円が上限)の給付が受けられる。国家資格である「情報処理安全確保支援士」や「プロジェクトマネージャ」をはじめ、一定レベル以上のIT資格取得を狙う人には朗報だ。

受講時間数は120時間から30時間に

 教育訓練給付制度は、自ら経費を負担してスキルアップを目指す人に対して、その費用の一部を補助する雇用保険の給付制度。雇用保険に加入中、または加入していたなど一定の条件を満たす人なら、対象講座を修了した場合に給付を受けられる。対象講座は、厚生労働大臣が認定する。

「教育訓練給付制度」に関する厚生労働省のWebサイト
「教育訓練給付制度」に関する厚生労働省のWebサイト
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 IT関連で指定の基準が緩和されたのは、この制度の中でも、専門実践教育訓練と呼ばれる講座。各種講座の中でもより専門的・実践的な講座を想定したもので、以前から一定レベル以上のIT関連資格の取得講座は指定対象になっていた。

 ただIT関連講座については、これまで「訓練時間が120時間以上」との指定基準があった。IT関連の資格取得講座で受講時間が120時間に及ぶものは少なく、指定講座の数は限られていた。2017年4月時点の指定講座を見ると、「Java認定資格」や「シスコ技術者認定」などの5講座しかない。