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 対外的に期限を切ってしまうと、それを守れなかった際にメディアや世間からの批判にさらされることにもなる。失敗が許されない中、外部の声に振り回されたくないという思いは、みずほ銀行内に存在するだろう。

 しかし筆者は、それでもスケジュールや期限を明らかにすべきと考えている。対外的に確約できるスケジュールの見通しが立たないほどの問題に直面しているのではないか、という疑念が残るからだ。佐藤社長は「根本的なトラブルが生じているわけではない」と否定するが、次の工程に進めないような品質問題が生じている可能性もある。

 かつて三菱東京UFJ銀行は、システム統合プロジェクト「Day2」のさなかに記者説明会を開き、テスト結果や切り替え判定基準などの内部資料を公表したことがある。テストで見つかったバグの件数まで明らかにした。

 その背景には、システム統合の行方を疑問視する声を一掃する狙いがあったようだ。今でこそ成功プロジェクトとして名高い「Day2」だが、システム移行の完了時期を1年間にわたって延期した経緯がある。

 そもそも、みずほ銀行のシステム統合プロジェクトのきっかけは、2011年のシステム障害にある。金融庁から業務改善命令を受けたみずほFGと旧みずほ銀行は、同年6月に業務改善計画を提出。その中で、2016年3月末(1度目の延期で2016年12月に変更されている)をめどに旧みずほ銀行、旧みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行の勘定系システムを一元化すると掲げたものだ。

 2011年のシステム障害は、一企業のトラブルで済む水準ではなく、社会に大きな影響を与えるものだった。これに対する改善施策と捉えれば、相応の社会的な説明責任があるはずだ。