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 「IoT(モノのインターネット)」というと、真っ先に思い浮かぶのが製造業だ。機器や設備に取り付けたセンサーからネット経由で稼働データを収集し、運用・保守に生かす。典型例は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の「インダストリアル・インターネット」構想やコマツの「コムトラックス」だろう。

 例えば、GEが扱うのはガスタービンやジェットエンジンといった産業機器が中心だ。産業機器は高価で、維持管理に多額のコストがかかる。このため、「1%」でも稼働効率を高められれば、莫大なメリットが得られる。GEはガス火力発電プラントの効率を1%改善できれば、15年間で660億ドルの燃料費削減につながると試算している。

 確かにガスタービンやジェットエンジンのように高価で、維持管理に多額のコストがかかる産業機器分野で、IoTシステムの導入が先行していることは確かだろう。とはいえ、小売りやサービス業界で導入例が全くないかといえば、そうではない。

 筆者は2014年11月19日、「ベイシア佐倉店」(千葉県佐倉市)を訪れた。日経情報ストラテジー2015年2月号(2014年12月29日発行)の特集「ベイシアグループ、ITでヒト・モノ・カネを最適化 知られざる流通優等生」のため、佐倉店が導入したIoTシステムを取材するためだ。

 佐倉店は北関東を地盤に約130店舗のスーパーを展開するベイシアの基幹店舗で、幅広い品ぞろえが特徴の「スーパーセンター」。集中レジを囲むように食品や衣料品、住関連、レジャー、スポーツ用品の売り場がある米ウォルマートを参考にした店舗形態だ。店内は安さを強調したPOP(店内販促)であふれている(写真1)。

写真1●ベイシア佐倉店の店内(写真撮影:北山 宏一)
写真1●ベイシア佐倉店の店内(写真撮影:北山 宏一)
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