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 これからのICTはどこへ向かうのか---。仕事柄、そう問われることが多い。2020年というタイミングを控えての喧噪(けんそう)が大きくなったせいか、最近ではその先を意識する方が増えているようにも感じられる。

 筆者は預言者ではないので、現状を分析して、仮説検証を続けるしかない。ただ、そうした検討の繰り返しによって、確からしいトレンドをいくつか構想できつつある。

生活空間のデータにリーチできず

 例えば、ICTの大きなミッションを、情報のデジタル化やネット化だと仮定してみる。すると、インターネットの台頭は、ここまで人のコミュニケーションや情報メディアの強化を進める方向に発達してきたことが分かる。スマートフォンが台頭し、多くの人が24時間肌身離さず携えるようになったことで、そのトレンドはさらに強化されたと言えるだろう。

 逆に、それ以外の方向へは、まだICTはあまり使われていないとも言える。人にとってコミュニケーションは最も大切な営みの一つだが、私たちの日常生活にはそれ以外にも様々なタスクがある。店で注文したり、タクシーを呼んだり、そうしたごく日常的なことを、ICTでいかに代替・支援していくのか。スマートフォンが私たちの身体に寄り添うようになったことで、その環境の応用を目指したチャレンジが活気づいている。

 さらに敷衍(ふえん)すると、人のコミュニケーション以外の領域はもちろん、そもそも人以外のデジタル化・ネット化は、まだ全然進んでいないとも言える。ある街に今どんな人がいるのか、その街はどのような状態にあるのか─。そうした生活空間を認識するためのデータに、私たちはまだ十分にはリーチできていない。