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 大学の頃、家電量販店のソフトウエアコーナーで「Microsoft Visual C++」のパッケージが2万円くらいで売っていたのを見つけました。中学のときに使っていたMS-Cは10万円くらいするものだったのに、それが2万円で買える。「Cのプログラミングはやったことがあるし、やってみたらおもしろいんじゃないか」と思ってとりあえず衝動買いしました。

 パッケージには模造紙サイズの紙が2枚入っており、全面にクラス図が書いてありました。Cだと型の種類は限られているが、これを見て「こんなにたくさんの型を覚えなきゃならないのか。人間業じゃないぞ」と思いました。構造化プログラミングしか知らず、オブジェクト指向プログラミングを理解していない状態だったのです。結局、2万円も出したにもかかわらず、手も足も出ずに終わってしまった。ここでいったんオブジェクト指向に挫折しました。

 薬剤師としての就職を決めたのは急な話でした。当時、修士課程のあと博士課程に進むかどうか迷っていましたが、結局、修士課程が終わる3カ月前の2002年末、就職することにしました。就活期間は実質1、2カ月。薬学部を出ると大手製薬メーカーに勤めるという選択もありますが、一般の企業の就活のシーズンとは外れていました。そこで、たまたま求人が出ていた薬局に就職しました。社長以下3人の小さい、いわゆる門前薬局です。2003年4月に、その薬局で調剤をする薬剤師になりました。

 薬剤師になった当初は続けるつもりで、いつかは薬局を開業したいと考えていました。しかし中に入ってみると、薬局の開業は思っていたよりも大変だということがわかりました。薬局はコンビニよりも多く、東京都内での開業は難しい。地方に行けば開業は可能ですが、自分は東京生まれの東京育ちです。どうしようかと思っていました。

 お恥ずかしい話ですが、薬剤師になって2年くらいはパソコンではネットゲームをやっていただけでした。しかし、薬剤師を続けていても先行きがつらいと思い、もう一つ、手に職を付けれられないかと考え始めました。そんなときに思い出したのです。中学生の頃はプログラミングをやっていたこと、大学のときにオブジェクト指向に挫折したことを。