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残業時間の計画と実績を一目で

 週単位や月単位の残業時間を個人ごとに正確に把握して、超過を未然に防ごうという取り組みもある。

 例えば、パシフィックコンサルタンツは「残業計画シート」を作り、部署の上司が部下の残業時間をリアルタイムに確認できる仕組みを導入した(図6)。まず、年度当初に各自が残業時間の計画値を設定。納期が集中する2、3月は多く、4~9月は抑えるといった配分を考える。

図6 ■ 残業計画シートの例
図6 ■ 残業計画シートの例
今期(66期)の年間計の欄は、5月までの実績値と、6月以降の計画値の合計(資料:パシフィックコンサルタンツ)
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 次に、残業時間の実績値が自動で反映される。日々の出退勤時刻は各自の申告に基づく。ただし、執務室の入退室時にかざすICカードの記録と連動しており、申告時刻がICカードの記録と30分以上ずれると、理由も書き加える必要がある。サービス残業を防ぎ、実際に即した残業時間を記録する仕組みだ。

 残業計画シートでは、年間の総残業時間の予測値が当初の計画とぶれていないかどうかが見比べられる。「各部署は毎週、工程会議を開く。負荷がかかっている人がいれば、仕事を複数で分担するなどの対策を打つ」(同社の油谷百百子広報室長)。

 新日本コンサルタント(富山市)は、部署ごとの1人当たり時間外労働時間に加え、出来高も社員が共有できるようにしている(図7)。「両者を把握することで、長時間労働の原因を究明しやすくなる。働き方改革と生産性向上の両立を目指したい」と、同社の市森友明社長は言う。

図7 ■ 労働時間と同時に生産性もチェック
図7 ■ 労働時間と同時に生産性もチェック
市森社長は49歳。出来高は外注費を除く(写真:日経コンストラクション、資料:新日本コンサルタント)
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 残業時間が減ると社員の手当も減ってしまう。そこで同社は昨年、経常利益率に応じた賞与の支払い月数の水準を引き上げ、生産性向上に取り組む社員に報いるようにした。