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黄色い札でノー残業を宣言

 長時間労働などの実態だけでなく、その対策も「見える化」することが有効だ。

 先の鉄建建設の現場では、ストレスチェックの結果を踏まえ、仕事上のストレスを軽減するために職場環境をどのように改善できるか検討。月1回の土曜日閉所やノー残業当番制を導入。黄色い札を立て、誰が当番か分かるようにする(写真4)。作業員が気兼ねなくコミュニケーションできるように、懇親会も催した。

(写真:鉄建建設)
(写真:鉄建建設)
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写真4■ 黄色い札で「ノー残業当番」を示す。上は職長との懇親会。2カ月後の再調査では、現場の健康リスクが改善した(写真:鉄建建設)
写真4■ 黄色い札で「ノー残業当番」を示す。上は職長との懇親会。2カ月後の再調査では、現場の健康リスクが改善した(写真:鉄建建設)
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 長大も、社内に散在する設計ツールをパソコン画面上に一覧でまとめ、見える化した。報告書のひな型も用意。時間をかけて過剰に作り込んでしまうのを防ぐのが狙いだ。

[工程管理] CCPMで“本音”の余裕しろを見える化

 厳しい工期を乗り切るために、クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネジメント(CCPM)と呼ぶ手法を使って工程管理する事例が増えている。丸本(まるほん)組(宮城県石巻市)も旧北上川にケーソン基礎の橋脚を設ける工事に採用した(写真5)。

写真5■ 旧北上川に吊り降ろした鋼殻(写真:日経コンストラクション)
写真5■ 旧北上川に吊り降ろした鋼殻(写真:日経コンストラクション)
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 従来の工程表は、作業ごとに一定の余裕を見込んで組み立てる。一方、CCPMは余裕しろを切り取り、工程の最後に「プロジェクトバッファー」として配置する。作業に遅れが生じるとバッファーを取り崩す。バッファー消費率はいわば“本音”の余裕しろ。100%を超えると工期に間に合わないことを意味する(図8、9)。

図8 ■ 従来の工程表とCCPMの比較
[従来の工程表]
[従来の工程表]
取材を基に日経コンストラクションが作成
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[CCPM]
[CCPM]
取材を基に日経コンストラクションが作成
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図9 ■ バッファー消費率で管理
図9 ■ バッファー消費率で管理
取材を基に日経コンストラクションが作成
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 「出水期までに鋼殻を貫入しなければならない。受発注者で危機感を共有できた」と同社の山岸邦亘企画部長は話す。
(関連記事:2017年7月10日号ズームアップ「先行配筋で巨大鋼殻の着底急ぐ」)