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現場の週休2日実現に本腰

 人材を確保する狙いもあり、各社は初任給の引き上げや給与のベースアップなどで社員の待遇改善に力を入れる。3月期決算の上場企業を対象とした東京商工リサーチの調査によると、建設業の平均年間給与は700万円を超え、全10業種の中でトップに立った。09年度の調査開始以来、建設業がトップになったのは初めてだ。

 背景には、大手各社が過去最高益を記録するなど、建設業の好調な業績がある。給与を据え置く会社が多かった数年前から状況は一変した。

 特に若手社員の待遇を改善したのが大成建設だ。全社員を対象とするベースアップとは別に、今年7月、20歳代と30歳代の社員に絞った賃上げを実施した。平均で基準内給与の6.7%、1カ月当たり2万3300円引き上げた。

 同時に、子どもを持つ社員への「次世代育成手当」も新設した。23歳未満の子に対し、1人目は1万円、第2子以降は1人5000円を支給する。

 給与だけでなく、労働環境の改善も急務だ。日本建設業連合会が今年3月に「週休二日推進本部」を立ち上げるなど、業界を挙げた働き方改革が進行している。

 「週休2日に関して、当社は進んでいる方だと自認している」。こう語るのは、大林組土木本部の大西陽子企画課長だ。「昨年は39現場で職員の4週8休を試行した。この6月からは土木の全現場で4週8休を実施している」(大西課長)。

 対象は、元請けである同社の社員が対象だ。現場を止めずに、仕事を調整して休みを取っている。

 次のステップが、下請けの作業員も含めて現場全体を休みにする「閉所」。大林組ではモデル現場を12カ所選び、10月から4週8閉所を試行する予定だ。現在、発注者への説明や下請け会社への協力要請などを進めている。

 来年以降は、土木の全現場で4週8閉所を目指す。ただし、全現場に広げるのは相当難しいので、100%達成する目標時期は定めていない。

 閉所に当たって障害となるのが、休みの増加に伴って日給の作業員の手取りが減ってしまう問題だ。閉所日が増えることを望まない作業員は少なくない。「1カ月当たりの手取りを大きく変えないようにするには単価を上げざるを得ない。ある程度の人件費増加は仕方がない」(大林組土木本部本部長室の安藤賢一部長)。

 給与を月給制にすれば、休みが増えても手取りは変わらない。しかし、現状では仕事量の変動に対応するため、日給制に頼らざるを得ない。

 清水建設の岡本正副社長は、平準化の必要性を指摘する。「元請け会社が安定的に仕事を発注することが望ましい。うまく仕事が平準化できれば、協力会社に月給化をお願いできる」(岡本副社長)。