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下請け代金の支払いで手形廃止

 現場の担い手確保が難しくなるなか、今後も多くの工事量をこなしていくため、下請け会社との連携強化を図っているのが五洋建設だ。同社は下請け代金の支払いに関して、7月以降の新規契約分から手形を廃止し、全て現金化した。

 「協力会社の経営基盤強化につながるはずだ。これを社会保険未加入の解消に役立ててもらいたい」と、五洋建設の住田佳津男経営企画部長は手形廃止の狙いを説明する。

 国土交通省は今年3月に建設業法令順守ガイドラインを改定し、下請けに手形を振り出す際に設定するサイト(支払日までの期間)の望ましい日数を、120日以下から60日以下へと引き下げた。

 五洋建設はこの努力目標をさらに進めて、現金化に踏み切った。同社によると、大手や準大手の建設会社で手形を全面的に廃止したのは初めてだという。

 「当社には連結で700億円を超える期末残高がある。その豊富な資金を、社員の処遇改善や起重機船建造などの設備投資に充てた。手形の廃止も、資金の有効な使い方だと考えている」(住田部長)。

[人手不足対策] 物流コストの低減も必要に
日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門理事 山田 英司(写真:日経コンストラクション)
日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門理事 山田 英司(写真:日経コンストラクション)
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 不足しているのは建設の労働者だけではない。運転手も足りないので、物を運ぶにも運べない。これからは物流コストが大きくなる。

 かつて大手建設会社が手掛けた共同購入システムのようなものが、また出てくる可能性がある。当時は共同で安く購入することが目的だったと思うが、今度は不足する人手を補うために、混載で物を運ぶ仕組みが出てくるのではないか。建設業以外の会社が手を付けるかもしれない。

 人手不足対策として無人化施工などの研究開発は活発になるだろうが、難しいのは誰がその担い手なのかということだ。無人化技術とかパワーアシストスーツを導入するのは下請けの専門工事会社。元請けはそうした技術に対応できる会社を採用する立場で、自分たちが直接使うわけではない。一方で、中小の専門工事会社がそうした技術を開発できるわけではない。

 もう1つ、発注者の協力を得られるかどうかという問題もある。それぞれの役割をどう考えるかが重要だ。(談)