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恥ずかしいマントで残業したくない意識を高める

 朝夜のメールを起点とした堅実な活動の一方で、「笑いを大事にする」(小和田氏)。そこで残業ゼロの対策として、遊び心の要素も盛り込んだ。一例が「恥ずかしいマントの着用」である(写真1)。

写真1●ノー残業デーに残業するとマントを着用
写真1●ノー残業デーに残業するとマントを着用
(出所:セントワークス)
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 同社では月1回、原則として残業してはらなない「ノー残業デー」を設定している。この日に残業するメンバーは、残業時間中、星柄の派手なマントを身に付けなければならない。

 星柄のマントはどこにいても目立ち、恰好が悪い。またノー残業デーの残業は、計画的な業務ができていない表れでもある。こうした心理的な特性から、「恥ずかしい格好をしてまで残業をしたくない」という意識が生まれた。ノー残業デーを形骸化させないために欠かせない仕組みである。

事例4
チャイムで終業時刻を意識付け
NTTデータ 藤田智康氏らのチーム

 「もう5時か。あと30分で切り上げられるように頑張ろう」―。

 NTTデータで金融機関向けのシステム開発を手掛ける藤田智康氏(第二金融事業本部 金融ソリューション事業部 第二ソリューション統括部 部長)らのチームは2013年12月、「カエルチャイム」と呼ぶ仕組みを導入した。その名の通り現場で決まった時刻にチャイムを鳴らし、「聴覚に訴えて終業時刻を意識付ける」(藤田氏)ことを狙っている。

 終業時刻の午後5時30分のほかに、午後3時と午後5時にもメロディーを鳴らす。5時に鳴らす理由は、冒頭のように終業時刻に向け、進めている業務を仕上げる心構えを作ること。一方、午後3時のチャイムは業務のペース配分に役立つという。午後1時~3時の2時間にみっちり業務に取り組んだ後、チャイムを区切りにいったん頭を整理。それから残り2時間余りの時間をまた集中して働くといった具合だ。

 当初は「現場は学校ではない」などと、反発するメンバーもいた。その間、藤田氏は並行して「なぜ残業すべきではないか」といったテーマでメンバーと対話を繰り返した。すると次第に「チャイムのおかげで、5時30分に退社して大丈夫と背中を押してもらえている」と前向きに捉える声が増えた。藤田氏らのチームは裁量労働制を敷くが、残業時間として換算すると、前年度より約3割減る見通しだ。