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4.利用目的の明示等

 会社が、「個人情報取扱事業者」に該当する場合は、社員からマイナンバーを取得する場合でも利用目的の明示等が必要だ。個人情報取扱事業者とは、簡単にいうと、5001人以上の個人情報を使っている事業者である(法律上は詳細な要件が規定されており、個人情報保護法2条3項、同施行令2条を参照)。該当しなければ利用目的の明示等は不要だが、該当する場合はマイナンバーの取得前に原則として利用目的を明示しなければならない(個人情報保護法18条2項)。

 もっとも、改正個人情報保護法が9月に成立したため、2017年ころ(厳密には改正個人情報保護法の公布日から2年以内の政令で定める日)以降には、この“5000人要件”が撤廃される。個人情報データベースを事業に利用していれば、たとえ1人の個人データを使う場合であっても、個人情報取扱事業者に該当することになる。このため2017年ころ以降は、基本的には全ての企業や法人が個人情報取扱事業者として利用目的の明示等が義務付けられる。

 利用目的の明示の具体的方法としては、社員にマイナンバーを記載してもらう身上書などに、利用目的をあらかじめ記載しておいたり、社員にマイナンバーを入力してもらう画面に利用目的を掲載したりするとよいだろう。利用目的としては、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書作成事務、健康保険・雇用保険・介護保険・厚生年金・労災年金届出事務」というように、社員のマイナンバーを取り扱う事務をすべて列記しておくとよい。

 なお、利用目的の明示はマイナンバー法で新しく義務付けられるものではなく、個人情報を取得する際は、個人情報保護法でもともと義務付けられていた事項である。このため、個人情報取扱事業者であれば、これまでも、社員に対して利用目的の明示等を行っているはずなので、それを参考にする。

5.本人確認

本人確認の考え方

 マイナンバー法で求められる本人確認には、「実在確認」と「番号確認」の2種類がある。「実在確認」とはその人がその人自身であって別人ではないことの確認であり、「番号確認」とはその人が申告しているマイナンバーがその人のマイナンバーであることの確認である。

 社員以外の人からマイナンバーを取得する際には複数の書類が必要になる場合も多いが、社員の場合はシンプルだ。(1)個人番号カードか、(2)通知カードか、(3)マイナンバーが記載された住民票の写しのいずれか1つを確認すればよい()。ただし、採用時に運転免許証などで本人確認をしていることが前提になる。多くの会社ではこれを行っているので、問題はないだろう。

表●社員のマイナンバーを取得する際の本人確認の手段
表●社員のマイナンバーを取得する際の本人確認の手段
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