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Q:マイナンバーで本当に社会保障の不正受給や脱税はなくなる?

マイナンバー制度では、国民一人ひとりの所得を正確に把握すること、そしてそれに基づいて「きめ細やかな社会保障」を提供することを、制度創設の目的として掲げているが、脱税や社会保障における不正受給をなくすことができるのか?

A:マイナンバー制度の導入によって、所得を把握する精度が現状よりも向上することは間違いありません。これに伴って、脱税や社会保障における不正受給も少なくなるでしょう。ただし、脱税や不正受給を完全になくすことは困難です。政府も「全ての取引や所得を把握し不正申告や不正受給をゼロにすることなどは非現実的」と認めています。政府は、マイナンバー制度に対して「小さく産んで大きく育てる」というスタンスをとっています。このため、マイナンバーの利用範囲は次第に広がっていくので、それに伴って所得を把握する精度も向上していくはずです。

 脱税や不正受給が起こる根本的な原因は、国や地方の機関が個人の所得を正確に捕捉できていないためである。正確な所得の捕捉を阻害しているのは、一言で表現すれば「名寄せの困難さ」だ。

 現在、所得が発生する商取引を行った場合、所得を支払った側、すなわち給与支払者や金融機関などは、支払調書を提出することが法律で義務づけられている。この支払調書と納税者からの申告を名寄せ(マッチング)すれば、所得を捕捉することができる。現状は、氏名と住所で名寄せしているが、これには限界がある。転居や結婚によって氏名や住所は変わるし、同じ住所でも調書によって表記方法が変わっていたり、同じ氏名でも異字を使っている場合がある。

 マイナンバー制度では、こうした調書に国民一人ひとりに割り当てた番号を記入するようになる。この番号によって、個人単位で様々な情報を紐付けることが可能になるので、所得を捕捉する精度は向上する。これに伴って、脱税や不正受給が現状よりも減ることは間違いないだろう。