マンハッタン,タイムズスクエアにそびえるNASDAQの電光掲示板にVERITASの文字が踊る
Veritasのゲイリー・ブルーム(Gary Bloom)社長兼CEOが,NASDAQのボブ・グレイフィールド(Bob Greifeld)社長兼CEO氏とともにNASDAQの取引開始のベルを鳴らす
一連の企業向けデータ保護用ソフトウエア新製品を発表するVeritasのゲイリー・ブルーム(Gary Bloom)社長兼CEO
世界から集まった記者団の質問に答える,左からMark Bregman(Veritas副社長),Norm Fjeldheim(QUALCOMM副社長兼CIO),Gary Bloom(Veritas社長兼CEO)
 米Veritas Softwareは11月4日,企業情報を不測の事故から守るデータ保護ソフトウエアのラインナップを一新する一連の製品群をニューヨークで発表した。発表は,Veritasが米オンライン証券取引所NASDAQに登録して以来10年になるのを記念して同社ゲイリー・ブルーム(Gary Bloom)社長兼CEOが,NASDAQのボブ・グレイフィールド(Bob Greifeld)社長兼CEO氏とともにNASDAQの取引開始に立ち会って,開始のベルを鳴らすというパフォーマンスに引き続いて始まった。開始のベルが鳴る瞬間にはニューヨーク,マンハッタンのタイムズスクエアにあるNASDAQのサインボードにVERITASの文字がたかだかと掲げられた(写真)。

 今回ラインナップに加わったのは同社の旗艦バックアップ・ソフトの最新版「VERITAS NetBackup 5.0/Backup Exec 9.1 for Windows Servers」,データの種類・重要度に応じてデータ保存のスケジュール,保管形態を管理できる「VERITAS Data Lifecycle Manager 5.0」,バックアップ作業に伴う各種管理,ITインフラの測定・監視,バックアップ作業量によって課金管理などを自動化する「VERITAS CommandCentral Service 3.5」。

64bit 対応したBackup Exec 9.1 for Windows Servers

 Backup Exec 9.1 for Windows Serversの投入は,近年のWindows NAS市場の急速な進展に対応したもので,Windows Storage Server 2003を使ったNASバックアップ アプライアンスの需要に答えるもの。また,膨大なデータを抱える大企業にとっては,不測の事故,たとえば火事,停電,地震,テロ,などに対して高速で高い復元性を持つことが火急の課題となっている。そうした要求に応えるために64bit版のSQL Serverへの対応が待たれていた。

 さらに,企業の基幹業務の一つとして,電子メールが重要な役割を演ずるという認識が広がるに伴い,メール・システムのオンライン・バックアップが必須となってきている。Backup Exec 9.1はこうした要求にいち早く対応する製品だとしている。

75%高速になったNetBackup 5.0

 NetBackup 5.0はシンセティック・バックアップ,ディスク・ベースのデータ保護など新機能を搭載した。シンセティック・バックアップとは,まず最初にテープ・ドライブにフルバックアップ,その後インクリメンタル・バックアップ(差分保管)を高速にアクセスできるディスクに書き込んでおき,ネットワークやCPUの稼働率が低くなったときなどに,テープに一気に書き込む機能で,これを使うことでバックアップの時間が劇的に短縮されるという。Veritasの社内テストでは180万個のファイルをバックアップするときに,従来製品NetBackup 4.5に比べて75%高速,5000個のファイルをリストアする場合で35%高速になるという。

爆発するデータ量拡大を整理縮小するData Lifecycle Manager 5.0

 Data Lifecycle Manager 5.0は保管すべきデータの性質(永久保存,期間限定,データ内容の重要度など)に応じて最適なアーカイブの形式を決定し管理,アクセス頻度に応じてバックアップ・メディアを効果的に配置するなどの機能を組込んだ。これにより,爆発的に拡大する企業情報データを破綻なくアーカイブするソリューションを提供することができる。

 NetBackup,Backup Execと総合して使えるため,NAS,DAS,SANなどにバックアップされたリソースを,時間をかけて構成したバックアップ・ポリシーと共通して使うことができ,ユーザの利便性を高めている。

 さらに,10月21日に発表したDesktop and Laptop Optionを組み合わせれば,企業内で日常業務のために利用している各個人のデスクトップ・マシン,ラップトップに保管されている重要なデータをユーザの作業に影響を与えることなくバックアップすることができるという。これを使うことで,エンドユーザーは煩雑なバックアップ設定をすることなく,効果的なバックアップができるようになる。

企業内の重要データを統合管理するCommandCentral Service 3.5

 企業内のデータを統合管理するために今回初登場したのがCommandCentral Service 3.5。これは,一連のVeritas製品を協調させて運用するいわば司令塔の役割を果たす。製品発表会にユーザー企業の代表として登場した米QUALCOMMのNorm Fjeldheim副社長兼CIOは「CommandCetralのベータ・テストも行っているが,ストレージのエンドユーザーへの提供,バックアップとリカバリを企業の内外を問わず提供できる最初の製品だと思う」と述べ,早急に導入したいと期待を込めた。「管理運用コストの低減,高速で確実なデータへのアクセスはIT組織にとって極めて重大な関心事になっている。この製品がそうした要求を応える今年最大の製品になり得ると確信している」(VeritasのMark Bregman副社長)

 これら一連の新製品のうち,日本での出荷開始予定が確定しているのは,次の3製品。バックアップ・ソフトウエアのNetBackup 5.0,Backup Exec 9.1が12月中旬,Data Lifecycle Manager 5.0は2004年1月。注目のData Lifecycle Manager 5.0とCommand Central Service 3.5は,日本語OS環境での検証が済んでからの出荷となる。現在のところ,出荷予定は2004年前半。

(林 伸夫=編集委員室 主席編集委員,ニューヨーク発)