画面1●Notes画面についた返電ボタン 返電ボタンをクリックすると送信者に電話がかかる(画面をクリックすると全体表示)
返電ボタン
 
  画面2●音声品質モニタ 通話している経路のネットワークの品質を表示する(画面をクリックすると全体表示)
音声品質モニタ
 
  画面3●ホームページ中の電話番号から電話がかけられる ブラウザ画面で右ボタン・クリックによりホームページ中の電話番号を認識させることができる。すると画面のように電話番号がクリッカブルになる。これをクリックするとその番号に電話がかかる(画面をクリックすると全体表示) クリッカブル
 
  写真1●USBフォン ファンクション・キーがついているのが特徴
USBフォン

 電子メールの画面に現れた「返電」ボタンをクリックすると,メールの送信者に電話がかかる――日立インフォメーションテクノロジー(日立IT)はこんなユニークなIP電話システムを「NET&COM 2004」(千葉市幕張メッセ)でデモンストレーションしていた(ブース番号4820)。

 このシステムはIPベースのコミュニケーション基盤「SIP:OFFICE Ver.1.1」。2月3日に発表したばかりの新製品である。Ver.1.1で加わった機能の1つが冒頭で述べた返電機能である(画面1)。SIP:OFFICEでは電話機型の端末だけでなく,ハンドセットを付けたパソコンをIP電話端末として使える。このため電子メール・ソフトなどパソコンのアプリケーションとの連携が可能になるのだ。

 画面のようにNotesの電子メール画面に「返信」などと並んで「返電」ボタンを表示。これをクリックするとNotesデータベースで送信者の電話番号を調べ,その番号に電話をかける。込み入った話なのでメールよりも電話で相談したいといった場合に,便利な機能だろう。

 Ver.1.1での新機能はほかにもある。日立ITが“世界初”とうたうのが音声品質モニタ機能である。これはIP電話をしている最中に,経路となるLANの回線使用率やジッタ(ゆらぎ)などを測定してグラフ表示する(画面2)。「これを使えばIP電話用のネットワークを一挙に構築しなくてもすみます」と説明してくれたのは同社のIP推進センタの鈴木郁男マネージャ。

 IP電話を導入するにあたって社内ネットワークを更新したという話はよく聞く。しかし,そのためには導入時に莫大な初期費用も必要となる。音声品質モニタがあれば,既存のネットワークのままでIP電話を導入できる。音声品質に悪影響を与えているネットワークの個所を随時アップグレードしていけば,初期費用を安く押さえられる――というのが鈴木マネージャの説明である。

 もう1つパソコンを使ったIP電話ならではの新機能がある。ホームページ中の電話番号をクリックすると電話をかけられるようにする機能である(画面3)。携帯電話で電話番号(のような数字列)を含んだメールやホームページを表示させると,それを選択して電話をかけられる。それと同様のことをパソコンでやってしまおうというのが,この機能だ。ホームページを表示中に右ボタン・クリックでコンテキスト・メニューを表示させて,その中から番号検索を選ぶと,ホームページ中の電話番号とおぼしき数字列がクリッカブルになる。

 携帯電話にはない機能として,内線番号検索がある。内線番号は会社によって3桁だったり4桁だったりフォーマットが様々である。どれにでも対応しようとすると電話番号ではない数字列までクリッカブルになってしまう。そこでSIP:OFFICEでは,内線番号のフォーマットを各社ごとにカスタマイズできるようにした。

 パソコンをIP電話端末として利用する際に気になるものの1つがハンドセット(受話器)。マイクとイヤホンでも使えなくはないが,通常の電話機のような形状を求めるユーザーもいるだろう。日立ITではパソコンとUSBで接続する電話機を自社開発し,Ver.1.1でラインアップに加え,NET&COM 2004で披露した(写真1)。通常のUSBフォンとの違いはファンクション・キーがついている点である。ビジネスフォンの機能ボタンのように使える。表示はパソコンにまかせるためビジネスフォンのような液晶パネルは搭載していない。価格は1台8000円。

(和田 英一=IT Pro)