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 「WebLogic6.1からJBoss3.2へ電子入札システムを移植したところ,ほぼ同等のレスポンスが得られた。WebLogicのライセンス価格は1CPUあたり120万円。JBossなら無料であり,大きなコスト削減効果が期待できる」(ダイテック オープンソース技術部 高橋康弘氏)――アイオナテクノロジーズは3月16日,オープンソースのEJB対応 Webアプリケーション・サーバーであるJBossを紹介する「オープンソースJBoss活用セミナー」を開催,JBoss開発コミュニティのメンバーでもある東京工業大学の千葉滋助教授や,野村総合研究所,ダイテックが実際の事例などについて講演した。

 東工大の千葉助教授は,JBossの海外事例などについて講演した。「ドイツSiemensでは,人事情報システムにJBossを採用,12万人の社員が利用し,毎月55万件以上のWebセッションを処理した。米BZRsearchによれば,JBossは27%のシェアを持ち,WebSphereやWebLogicに次ぐシェアを占める」など,JBoss開発コミュニティが公表している事例やデータを紹介した。

 千葉氏は,同氏が研究のため開発したコード変換ツールjavassistがJBossのサブ・プロジェクトとなったことから,同氏はJBoss開発コミュニティのメンバーとなっている。javassistは,JBossの次期版である4.Xの新機能POJO(通常のJavaクラスをEJBに自動変換する機能)やアスペクト指向プログラミングのベースとして使用されている。

 野村総合研究所 システム技術部 オープンソースソリューションセンター 寺田雄一氏は,同社がJBossを採用して開発したアグリゲーション・サービス・システムなどを説明(関連記事)。「商用のAPサーバーより性能が高かった。また,30クライアントで12時間連続稼働させてテストでも安定性は問題なかった」(寺田氏)という検証結果を紹介した。

 ダイテックの高橋氏は,同社製のWeb電子入札システムをWebLogic6.1からJBoss3.2へ移植した経緯について解説した。「電子入札システムは,もともとマルチプラットフォームで稼働させることを意識して設計してあったこともあり,移植は容易だった」(高橋氏)。WebLogicとJBossは,設定ファイルや一部機能が異なる。設定ファイルについては,変換ツールを作成した。またデータソース名やパッケージングの変更などは手作業で変更した。

 「移植作業は3人で2カ月間,約120人日を要した」(高橋氏)。内訳は,電子入札システム構造の調査に30人日,WebLogic固有の調査に10人日,JBoss固有機能の調査に10人日,移植ツールの作成に20人日,DBとWebの移植作業に15人日,テストと修正に20人日,そのほかの作業に15人日だった。うち調査と移植ツール作成に70人日を使ったため「次にほかのアプリケーションを移植する際は工数を大幅に短縮できる」(高橋氏)。

 同じハードウエア(Xeon 3GHz×2,メモリー4Gバイト)で,Winodows 2000上のWebLogic6.1(DBMSはSQL Server2000)とRed Hat Linux9上のJBoss3.2(DBMSはPostgreSQL 7.3)の性能を比較したところ,ほぼ同じだったという。ただし「JBossのほうがCPU使用率はやや高めで,レスポンスにばらつきがあった」(高橋氏)という。

(高橋 信頼=IT Pro)