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 ゼンド・オープンソースシステムズは2004年5月17日,楽天がWebサイト高速化ツール「Zend Performance Suite」を導入し,本番環境での運用を開始したと発表した。2004年3月から導入を開始し,「現在Zend Performance Suiteを採用したサービスへのアクセスは,合計で1日数百万ページ・ビューになる」(EC事業カンパニー 開発本部 プラットフォーム プロデュース部門長 安武弘晃氏)という。

 Zend Performance Suiteは,オープンソースのWebアプリケーション開発言語PHPを使った動的なWebサイトを高速化するツール。コンパイル済みのPHPスクリプトをメモリー上に保持することで実行を高速化する「PHPスクリプト・キャッシュ」,Webコンテンツをメモリー上に保持することで高速化する「コンテンツ・キャッシュ機能」,送出するデータを圧縮し通信量を減らす「データ圧縮」の3つの機能を持つ。

 楽天では「PHPスクリプト・キャッシュ」と「コンテンツ・キャッシュ」機能を主に使用している。従来は自社で開発した,コンテンツ・キャッシュに相当する機能を使用していた。コンテンツ・データを新しく生成すべきかどうか,ページを生成すべきかファイルのタイム・スタンプ情報により判断するPHPスクリプトである。ただし,自社開発のスクリプトでは,コンテンツの部分的なキャッシュができなかったほか,自社で実装しメンテナンスする必要があったため,Zend Performance Suiteを採用した。

 全くキャッシュを行わない場合に比べ,Zend Performance Suiteを使用した場合,平均約10倍の高速化効果があったという。自社開発のキャッシュ機能を使用した場合との性能比較は行っていないが,「自社で実装する必要がなくなり,開発効率が向上した。また,コンテンツの一部だけをキャッシュすることが可能になり,キャッシュできるコンテンツが広がった」(安武氏)。

 採用にあたっては,英ionCube社が無償配布してるPHP Acceleratorなどの競合ツールも検討した。コンテンツの部分的なキャッシュが可能な点を評価し,Zend Performance Suiteを選択した。

(高橋 信頼=IT Pro)

【訂正】初出時に「Zend Performance Suiteを採用したサービスへのアクセスは,合計で月間数百万ページ・ビューになる」と記述していましたが,正しくは「1日数百万ページ・ビュー」です。お詫びして訂正いたします。