写真●ヤマハが参考出品していた拠点用ルーター「X3」 下側はX3の背面。クリックして拡大表示。

 ヤマハは,拠点用ルーター「RTX1000」の上位機種を今秋発売する。「X3(仮称)」として,日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開かれていたネットワーク関連の総合展示会「NetWorld+Interop 2004 Tokyo」(N+I)」に参考出品し,明らかにした。これまで拠点でフレームリレーを使っていたユーザーが,IP-VPNや広域イーサネットに乗り換える需要を狙う。

 RTX1000,ギガビット対応のセンター用ルーター「RTX2000」に続く,RTXシリーズの3機種目として「X3」という仮称がつけられている。RTX1000の最大スループットは51.3Mbps。ADSLを使ったインターネットVPN用途には十分な性能だが,光回線やイーサネット回線による高速なWANサービスには力不足。X3では,100MbpsのWAN回線を100%使い切ることを目標に開発を進めているという。

 処理性能向上は,64バイト,128バイトといった短いパケットの場合でも重視している。IP電話などで,こうしたショート・パケットが増えてきているためだ。RTX1000ではVPN利用時で64バイトの場合,6Mbps程度のスループットしか出なかった。X3では,これを理路論的限界の48Mbps近くまで8倍の性能向上を目指す。

 こうした高速WAN回線に対応できるようになったとしても,ftpなどで一時的に多量のトラフィックが発生した場合に,IP電話や基幹系のトランザクションが途切れてしまっては困る。そこでX3では,回線品質(QoS)制御にも力を入れている。RTX1000ではソフトだけで実装したQoSだったが,X3ではRTX2000と同様ソフトとハードで制御する。

 QoS方式としてはCoSやToS,タグVLANに対応するとともに,「新方式」(同社)を開発している。具体的な実現手法はまだ明らかにされていないが,各通信ごとに固定的に帯域を割り当てるのではなく,帯域に余裕があるときは他の通信に帯域を融通させるというコンセプトで開発が続けられている。高価な帯域制御装置を導入しなくても,X3だけで,輻輳(ふくそう)が起きないように各通信の帯域をコントロールできるようにするという。

 外部インタフェースとしては,EthernetポートはRTX1000と同じ。WAN用2ポート,LAN用4ポートを備える。ISDNのBRIは,RTX1000では1つだったが,X3は2つ用意した。しかもS/T点(RJ-45)に加えて,DSUを内蔵したU点(RJ-11)も備える。WAN回線2本をそれぞれISDNでバックアップできるようになる。

 X3の価格はRTX1000とRTX2000の間になる見込み。なお,RTX1000はインターネットVPN用ルーターとして販売を継続する。

(和田 英一=IT Pro)