帳票ソフトベンダーのウイングアーク テクノロジーズ(東京都渋谷区、内野弘幸社長)がパートナ販売に本格的に乗り出した。SI(システム・インテグレーション)事業を展開するITサービス会社をパートナに取り込む一方、OEM(相手先ブランドによる生産)販売にも力を注ぐ計画だ。
同社は、この3月にシステム販売の翼システムで帳票ソフトなどの開発・販売を担当していた部門(情報企画事業部)がベンチャーキャピタルの資本出資などをえる形で分社した帳票ソフトベンダー。これまで1000社超の販売パートナがあったものの、パートナの明確な区分もなく強力な販売支援も行ってこなかった。そこで分社を契機にパートナ支援策を充実化させ、売り上げ拡大を図ることにした。具体的には、従来のパートナとは別にこのほどインテグレーション・パートナ、プロダクト・パートナを設けた。
インテグレーション・パートナはSI案件の中に帳票ソフトを組み込んで提案してくれるITサービス会社、プロダクト・パートナはOEMあるいはASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)を展開するITサービス会社などを想定している。この2つのパートナに対して、この7月に設置した営業戦略室がマーケティングを含めた営業支援などの協業体制を確立させていく。パートナ企業との一体感を強めるために、専任の担当者も配置する。
こうした施策などによって、売上高を2004年度(3月期)に53億円(従業員100人)、2006年度に85億円(同150人)、2008年度に150億円(同200人)と、年率25%以上で成長させる。内野社長は「この4月から9月までも前年同期比で25%伸びている。いいスタートをきれた」と語り、さらなる製品開発の強化、さらに来年には中国市場への参入で帳票ソフトベンダーとしての地位を固めていく考えだ。