PR

 Linuxディストリビュータの業績が好転している。2月10日,ターボリナックスは2004年度(2004年1月~2004年12月)の決算で黒字を達成したと発表した。黒字額は公表していない。同社は2000年度から2003年度まで営業利益ベースで赤字だった。

 ミラクル・リナックスも「7四半期連続で黒字を達成した」(広報)としている。決算は公開していないが2004年度(2003年6月~2004年5月)の売上高は前期比51%増だったという。

 Linuxディストリビューションはかつて利益を出しにくいビジネス・モデルとされてきた。ディストリビュータはサポートや有償ソフトをバンドルした有償版ディストリビューションを収益源とするが,Linuxディストリビューション自体は無料版が配布されているため,対価を得ることは難しく,当初は赤字が続いた。米Red Hatは1999年の株式公開以来2003会計年度まで赤字が重なっていた。米TurboLinuxは2002年8月,Linuxディストリビューション事業から撤退し,日本のターボリナックスにLinux事業を委譲している。

 業績が好転してきた最大の理由は,Linuxの基幹システムへの採用が進んできたことにある。基幹システム全体の費用の中ではLinuxのライセンス料金の比率は低く,コストよりもサポートが重要になる。矢野経済研究所によれば,2004年のサーバー用Linuxディストリビューションは出荷本数が前年比49.9%の6万3400本,売上金額が前年比51.1%増の33億4000万円と高い成長を示している。

 またミラクル・リナックスは,2004年度,サーバー向けLinuxディストリビューションの出荷拡大にともない,コンサルティング・サービス事業が500%以上,法人向け保守などのサポート・サービス事業が180%以上の伸びを記録するなど,プロフェッショナル・サービス事業が収益を牽引したとしている。

 ターボリナックスも,黒字化の最も大きな要因として「2004年1月にアプライアンス向けOSとして出荷を開始したTurbolinux Appliance Server 1.0がNTTドコモをはじめ多くのOEMを獲得したこと」を挙げている。また経済産業省のLinuxデスクトップ実証実験に採用されたことも寄与したという。中国子会社であるTurbolinux Chinaは中国モバイルや中国鉄道システム省,中国上海市静安区などに採用され,初の年間黒字を達成したとしている。

 欧米の大手Linuxディストリビュータも好調だ。米Red Hatの2005年度第3四半期(9~11月期)の純利益は,前年同期から155%増の1080万ドル。米Novellの2004年度第4四半期(2004年8~10月期)Linux事業の売上は1200万ドル。「SUSE LINUX Enterprise Server」のサブスクリプション販売本数は2万1000本,サブスクリプション収入は700万ドルで,前期比68%の増加。Novell全体での純利益は1300万ドルで,前年同期の純損失1億900万ドルから黒字に転じている。

(高橋 信頼=IT Pro)