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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は3月22日,オープンソース・ソフトウエアの性能や信頼性を評価する手法と解析ツールを公開した。またこれらのツールと手法により,JBossとWebLogic Serverとの比較や,PostgreSQL,MaxDBなどの評価を行ったベ計測結果も公開した。ツールの開発や評価は日本OSS推進フォーラムと協力し,日立製作所などに委託して行った。

写真1●JBossとWebLogic Serverの性能比較「Javaアプリケーション層の評価」 図1.7-2
写真2●カーネル2.6とカーネル2.4の性能比較「Javaアプリケーション層の評価」図1.4-2
写真3●MaxDBのチューニング前と後の性能比較「DB層の評価」図 2.2-1
 公開した評価手順書は「具体的なコマンド・ベースで記述することにより,誰でも同じ手順で評価を再現できるようになっている」(IPA)という。

 この評価手法により,SPECjAppServer2004でJBoss 4.0.0とWebLogic8.1SP3の性能比較を行った結果,高負荷時においてはWebLogicの方が高性能であるという結果が得られたという(写真1)。またクラスタリング構成では,WebLogicに比べJBossはスケールアウトしなかったとしている。このことから現時点では「大きな性能要件を求められておらず,信頼性についてはアプリケーションの作りによってカバーできる用途」がJBossの適用領域として適切であるとしている。

 カーネル2.4とカーネル2.6の比較では,全体的に見て,高負荷時においては,おおむねカーネル2.6の方が高い性能を示した(写真2)。

 オープンソースのDBMSとしては,PostgreSQL,MySQL,MaxDBを対象として評価手順を作成した。オンラインショップを想定したOSDL DBT-1と,意思決定支援システムを想定したOSDL DBT-3という2つのベンチマーク・ツールによる評価手順書を整備した。チューニングにより,おおむねどの環境でも高い性能向上が見られ,適切なチューニングが非常に重要であることが確認されたという(写真3)。

 開発,改良を施しオープンソースとして公開した障害解析支援ツールは3種類。ダンプデータ解析ツール「Alicia」は,解析に必要な情報をメモリー・ダンプから迅速に抽出する機能を開発した。カーネル性能評価ツール「LKST」では,従来の障害解析用のデータ取得機能に加え,性能情報も取得できる機能を開発した。ディスク割り当て評価ツール「DAV」についてはファイルのフラグメンテーション(断片化)状況を容易に取得し可視化する機能を開発した。

 これらの開発および検証は,IPAの委託により日立製作所を幹事会社として,SRA,NTTデータ,新日鉄ソリューションズ,住商情報システム,野村総合研究所,ミラクル・リナックス,ユニアデックスの8社が行った。

(高橋 信頼=IT Pro)