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 「NTTコムウェアは,オフィスにおけるLinuxデスクトップへの移行をスタートさせている。USB-Linuxシン・クライアントはその過程で生まれた」――NTTコムウェアとノベルは,USBメモリーにLinuxベースを格納したシン・クライアントを2005年8月に発売する(関連記事)。NTTコムウェア オープンソース戦略推進部担当部長 竹川直秀氏は,この製品は同社でのLinuxデスクトップへの移行プロジェクトの成果として開発されたと語る。

 NTTコムウェアがLinuxデスクトップへの移行のメリットとしてあげるのが,セキュリティの向上と管理コストの削減だ。Linuxはオープンソース・ソフトウエアであり,様々な機能を自由に追加,削減できる。そのため,情報漏洩を防ぐためにユーザーの操作を必要なものだけに制限することなどが容易だ。

 様々なアプリケーションを自由にインストールしたり,様々な周辺機器を自由に接続したい場合,Windowsの利便性はLinuxに勝る。Linuxは対応アプリケーションや周辺機器がWindowsに比べると少ないためだ。しかし企業での利用では,Webでのアクセスや特定の業務アプリケーションなどに用途が限られる場合も多い。そのような用途であればLinuxであるデメリットは少ない。

 今回NTTコムウェアが開発したUSB-Linuxシン・クライアントは,USBメモリー内の情報を改ざんできないUSB-ROMを使用する。また,一切のデバイスの認識をさせない。パソコンにハードディスクが存在していても,別のUSBメモリーを装着しても認識しない。そのためローカルに情報を全く保存できず,情報を持ち出すことができない「absolute(完璧)なセキュリティで企業情報を守る」(竹川氏)。

 また現時点ではWindowsに比べてウイルスの標的になることが少ない。セキュリティ・ホールが報告された場合に自動アップデートする仕組みや,障害発生時に自動リカバリする仕組みなどの作りこみも自由に行うことができる。

 とはいえ,WindowsからLinuxへの移行は簡単ではなく,必ずしもメリットが得られるとも限らない。オフィス・アプリケーションのデータの互換性が完全ではなかったり,ActiveXを使用したWebアプリケーションがLinuxでは動作しないなどの問題もあるためだ。

 そのためNTTコムウェアでは,Linuxへの移行のためのメソドロジ(方法論)やUSB-Linuxシン・クライアントなどのツールを作成し,同社の移行プロジェクトを通じて検証している。ユーザーのパソコン利用状況によって移行できるか,移行メリットがあるかという判定から始まり,シン・クライアントで利用可能な社内システムのアーキテクチャ構成,移行手順などだ。

 社内導入により,ツールや製品,ノウハウを蓄積し,NTTコムウェアでは「他社にもLinuxデスクトップ移行のためのコンサルティング,システム構築,サポートなどのサービスを提供する」(竹川氏)方針だ。

(高橋 信頼=IT Pro)