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SalesLaborの顧客検索画面
SalesLaborの入力画面
QuestionLaborの入力画面
QuestionLaborの統計情報画面
 ネットワーク応用通信研究所は6月6日,オープンソースの顧客管理システムを無償公開した。名称は「SalesLabor」。オープンソースのFAQ管理システム「QuestionLabor」も同時に無償公開した。オープンソース・ソフトウエアとして本格的なCRMやFAQ管理システムがリリースされるのは国内で初めて。

 SalesLaborおよびQuestionLaborはLaborシリーズの公式サイトからダウンロードできる。また同サイトでは,実際に稼動しているデモ・サイトを操作することができる。ネットワーク応用通信研究所は,これらLaborシリーズの導入,カスタマイズおよびサポート・サービスを開始する。

 SlaesLaborは,顧客への対応履歴の一覧表示や検索が可能。Webブラウザのほか,クライアントとしてJavaアプリケーションやLinuxのGUIアプリケーションも用意している。顧客情報を会社,部署,個人の3階層で管理する。詳細記入欄は,Webブラウザ上のWYSWIG HTMLエディタで,レイアウトやフォント,画像を確認しながら入力できる。

 QuestionLaborは,同異義語辞書を内蔵しており,同じ意味の言葉が使われている情報を探し出すことができる。1つの質問に対し複数の回答をつけることができ,最終的な回答に至るまでの履歴を記録できる。質問と回答はインターネットで公開することを前提にしており,簡単に公開することが可能。またWebブラウザ上のWYSWIG HTMLエディタで質問や回答を入力できる。

 SalesLabor,QuestionLaborともに,企業での使用を想定した機能を備える。すでにネットワーク応用通信研究所内で実際の業務に使用している。

 SalesLaborおよびQuestionLaborは,それ自体オープンソース・ソフトウエアであるだけでなく,スクリプト言語「Ruby」,トランザクション処理モニタ「MONTSUQUI」,データベース管理システム「PostgreSQL」などオープンソース・ソフトウエアを利用して構築されている。Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏,MONTSUQUIの作者である生越昌巳氏はともにネットワーク応用通信研究所に勤務している。

 オープンソース・ソフトウエアである利点は3つある。1点めは,カスタマイズが自由に行えること。ソースコードが公開されていないソフトウエアでは,カスタマイズできる範囲に制限があるが,オープンソース・ソフトウエアであれば,技術さえあればいかなる変更も可能だ。

 2点めは,長期間の保守が可能なこと。ソースコードが存在するため,開発元のベンダーがサポートを打ち切ったとしても,他のベンダーに依頼するなどの方法で保守するという方法を採ることができる。

 3点めはコストである。SalesLaborおよびQuestionLabor自体は無償で使用することができる。またミドルウエアもすべてオープンソース・ソフトウエアであるためライセンス料は不要。本格的に業務に使用する場合はサポートやカスタマイズが必要になるため,常に商用ソフトに比べ安価になるとは限らないが,クライアント数によって費用が変わることはない。「オープンソースという形態は,業務システムの要件に的確にマッチしている」(ネットワーク応用通信研究所 山崎裕美氏)

 ネットワーク応用通信研究所は,RubyやMONTSUQUIだけでなく,オープンソース・ソフトウエアの開発やビジネスにおける実績を持つ。日本医師会の委託を受けて「日医標準レセプトソフト」を開発している。日医標準レセプトソフトはオープンソース・ソフトウエアとして公開され,2005年5月時点で1470カ所の医療機関で稼動している。

 オープンソース・ソフトウエアは一般に高い知識を持つユーザーが主な利用者となるため,ドキュメントが少ないとされる。SalesLaborおよびQuestionLaborでは,インストール手順など「公開時からドキュメントを充実させた」(ネットワーク応用通信研究所 山崎氏)という。

 今後は,SlaesLaborの次バージョン 2.0ではスケジュール管理やメール管理,宛名印刷,全文検索などの機能拡張を予定している。またQuestionLaborの次バージョンでは全文検索などの機能を追加する予定だ。またシステム管理ツール「RootLabor」の公開も計画している。

(高橋 信頼=IT Pro)