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 「2005年度中に,KNOPPIXの起動時間を1分に短縮する」(アルファシステムズ 経営企画本部 技術推進部 課長 千葉大作氏)――アルファシステムズは独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」に採択されたプロジェクト「CD/DVD 起動Linuxの速度改善ドライバの開発」の目標と手法を明らかにした。

 KNOPPIXは,1枚のCD-ROMにOSを収録し,CDから起動するLinux。ドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発したディストリビューションである。独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)が日本語化や機能の追加などを行っており,アルファシステムズも産総研の開発に協力している。

 KNOPPIXは,ハード・ディスクにインストールする必要がない。その反面,CDはハード・ディスクに比べ遅いため,起動に時間がかかることが難点となっている。アルファシステムズによれば,現在,メモリー256Mバイト,プロセッサのクロックが2GHz,CD-ROMドライブが40倍速の環境で,起動に2分半から3分弱を要するという。すでに,CDの内容を先読みしてメモリーにキャッシュする「readahead」という技術も採用されているが「メモリーが512MB以上ないと,起動の高速化には効果がない」(千葉氏)

 IPAの「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」は,オープンソース・ソフトウエアの開発を支援する事業。アルファシステムズは2005年上期の同事業に採択された。

 アルファシステムズでは,10月28日のイベント「関西オープンソース2005」にあわせ起動時間を2分に短縮したKNOPPIXを公開すること,12月24日に起動時間1分半のKNOPPIXを公開することを目標にしている。最終的には,2006年2月28日に起動時間1分のKNOPPIXを公開することを目指している。

 具体的な高速化手法としては(1)ファイル・システム・イメージの最適化,(2)CDからの先読みキャッシュ,(3)周辺機器検出の非同期化,を検討している。例えば(1)に関しては「現在は,CD-ROM上でファイルの存在する場所を探すためのシークが発生している。シークが発生しないようにファイル・システム・イメージの最適化,すなわちWindowsのデフラグに相当する処理を行うことで,かなりの高速化が期待できる。この手法は,メモリーが少なくとも効果は変わらない」(千葉氏)という。最初の2カ月は,起動プロセスを可視化するツールを作成し,最も効果のある手法を検証する計画だ。

 また,開発した技術は,CD起動Linux開発者向けにツール(KNOPPIX Accelerate Tools)などの形で提供する予定。

(高橋 信頼=IT Pro)