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 ドメイン名の多言語化に関する動きがにわかに活発になってきている。

 これまでドメイン名の多言語化といえば,ICANN(インターネット・コーポレーション・フォー・アサインド・ネームズ・アンド・ナンバーズ)などによる研究レベルのものがほとんどだったが,ここにきて米ネットワーク・ソリューションズ(NSI)日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)といった登録事業者が,多言語ドメイン名に関する明確な方針を打ち出しはじめた。

 これまでドメイン名といえば,半角のアルファベットや数字などで表記されたものしか登録できなかった。多言語化が実現すれば,日本や韓国,中国など,様々な国の言語で表記されたドメイン名の登録が可能になる。ドメイン名が多言語化することの一番のメリットは,各国のユーザーが自国の言語で表記されたURLやメール・アドレスを使えるようになること。例えば日本語であれば,これまでアルファベットで表記していたアドレスを“かな”や“漢字”,“カタカナ”で表記できるようになる。

 こういった日本語で表記されたアドレスは覚えやすいので,ユーザーはこれまで訪れたことのないWebサイトに容易にアクセスできるようになったり,相手の名前と所属組織さえ分かればメールを出せるようになったりする。また企業なども,自社のWebサイトのURLに自社の名前やブランド名を日本語で表記することで,より大きな宣伝/集客効果を期待できる。

多言語ドメイン名の登録に乗り出したNSIとJPNIC

 2000年8月,comドメインなどgTLD(グローバル・トップレベル・ドメイン)の登録サービスを提供している米NSIが同社の登録サービスについて,英語以外の言語のドメイン名に対応すると発表した。NSIは,1992年に結んだ米国政府との間の協定に基づいて2000年4月まで独占的にgTLDの登録サービスを提供していた実績をもつ(現在はNSIを含めた58組織がICANNに登録事業者としての認定を受けており,NSI以外にもいくつかの組織がサービスを開始している)。したがって独占が終わった現在でもgTLDの登録に対するNSIの影響力は強く,NSIが登録サービスを開始すれば,多言語のgTLDが一気に普及する可能性もある。

 国内では,JPNICが日本語表記によるJPドメイン名の実現に乗り出している。1999年5月に設置したタスクフォース「iDN-TF」の研究成果として,DNS(ドメイン名システム)を多言語対応にするための評価キット「mDNkit」を2000年7月にWebサイトに公開した。さらに,2000年9月1日発表した汎用JPドメイン名(2000年11月から登録開始を予定している,co(一般企業)やne(通信事業者)などの属性区分を必要としないJPドメイン。「○○.jp」といった形式で表記する)の方針のなかに,日本語ドメイン名の導入を盛り込んでいる。方針通りに事が進めば,「日経インターネットテクノロジー.jp」といったようなドメイン名で登録が可能になる。

 こういった一連の動きを見ていると,日本語のアドレスでWebやメール,FTPなど様々なアプリケーションを利用できるようになるのはそう遠い先の話ではないように思える。ただ,例えば「中島募@日経BP.jp」といったようなメール・アドレスが実現したとして,その表記に何となく違和感を覚えるのは私だけだろうか。実際に慣れてしまえば,当たり前のようにして使えるようになるのかもしれないが・・・。