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 インターネット・ビジネスのなかでも,早く立ち上がるのではとの期待が高かった個人向けのオンライン販売が行き詰まりをみせている。

 いわゆるB to C(ビジネス・トウ・コンシューマ)と呼ばれる範疇(はんちゅう)のものだが,失敗の原因はいくつかある。その最大のものは,インターネット販売なら多少のことは大目に見てもらえるのでは,という買い手側ではなくて,売る側の論理からの安易な取り組みによるもではないだろうか。

 具体的にあげると,第1は「欲しいものがない」ことだ。

 つまり,既存の流通で売られる商品と比べてインターネット販売ならではの魅力に乏しい。無店舗販売であるから,顧客は安く手に入れられることを期待するが,実際はそれほどではない。売られている商品も既存の流通でも買えるものがほとんどで,「既存流通で売れ残ったものが普通の値段で販売されているのでは」と受け取られているような印象もある。

 黙っていても売れるもの,本当に欲しいものは,既存流通に押さえ込まれているということではどうしようもない。インターネットで販売すれば,「顧客データ」が自動的に手に入るというメリットがある。魅力ある商品を販売すれば,そうしたデータが入手できるメリットを忘れてはならない。

 行き詰まりの第2は「完全に情報不足で商品内容が分からない」ことだ。

 店頭のように手にとって見ることはできない。それなら,そうしたハンデを克服するには,必要にして十分の情報を示すことが必要だが,そうはなっていない。商品そのものがよく分からないから,他の商品と比較して見ることもできない。当然のことだが購買意欲に結びつくわけがない。品質やデザイン,機能(仕様),価格などに妥当性があるのか,情報が不足しているから判断できないのである。また,商品の開発者(作者)の意図や,どういう人に買ってもらいたいかなどの情報も重要だが,そういうものもほとんど見あたらない。

 行き詰まりの第3は,「納期が遅い,納期が不明確」な点である。

 「いつ届くのか」,まだ届いていないとしたら,「今,その商品はどこにあるのか」などの問い合わせに答えるには,物流や生産システムを改革して仕事の進捗状況を追跡できるようにしなければならない。しかし,こうしたシステムの構築には,まだまだ多くの時間を必要とするだろう。

 このほか「買う側,売る側の信頼性が不明確」であることや「知名度をあげるための販促コストが高すぎる」ことも行き詰まりの原因といえるのではないか。

 買う側についての信頼性は難しい問題を含んでいるが,例えば供託金などの仕組みも有効ではないだろうか。買う側が供託金を管理する会社にお金を振り込んで,品物が届いたら供託金を管理する会社が売る側に支払うというやり方である。金額の大きな商品には有効ではないだろうか。

 また,売る側の信頼性についての評価情報を公開することも必要ではないか。買う側のより所となろう。そうした意味では,買う側の立場に立った商品情報を案内するナビゲータ・サイトの充実が望まれる。日本のナビゲータは,買う側というよりも売る側の立場からの紹介サイトが多く,こうしたこともショッピングが伸び悩む原因になっていると認識すべきである。