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 米ヒューレット・パッカード(HP)のe-speakが,発表から1年を経て,ようやく実用フェーズに近づいてきた。HPは,2000年6月14日,e-speakの新版e-speak3.0を発表,インターネット上で公開した。セキュリティなどの新機能を加え,実システムの中で利用できるようにした本格的なバージョンである。HPがパートナ企業と進めてきた応用プロジェクトも,米国やヨーロッパ,アジア,そして日本で実を結び始めている。

 e-speakは,インターネット上のサービス同士を連携させたり,相互運用するための技術である。ところが,「サービス」や「サービス同士の連携」という新しいコンセプトのためか,「何でもできそうだが,何に使うのか分からない」技術という印象が強く,具体的なイメージがなかなか湧いてこなかった。そうした認識を変えたのが,2000年になって登場してきたいくつかの応用プロジェクトである。そこで分かったことは,e-speakが「ポータル」あるいは「マーケット・プレイス」「コミュニティ」を作るために役立つということだ。

 例えば,韓国のHitel。同社は,Korea Telecomの子会社で,インターネット上でゲームのサービスを提供しているISP(インターネット・サービス・プロバイダ)である。このHitelは,e-speakを利用してゲーム・ユーザー向けのポータルを作った。ネット上で対戦しようとしているユーザー同士のマッチングやオンライン・ゲームのランキングなどのサービスを提供している。

 米Cadence Design Systems,米Flextronics International,およびHPが共同で2000年4月に設立した米SpinCircuitという会社も,e-speakのユーザーである。SpinCircuitは設計期間を短縮するために,プリント基板の設計者と部品メーカーなどが設計情報などを交換するポータルを構築したが,そこにe-speakを使った。フィンランドのElisa Communicationsは,企業ユーザーに向けた遠隔教育用のマルチメディア・コンテンツをやり取りするためのポータルをe-speakを用いて作った。

 e-speakを使わなくても,こうしたサービスを作ることはできる。だが,ポータルそれぞれが独自の技術を用いてマッチング・サービスなどを構築すると,異なるサービス間の連携は難しくなる。e-speakをサービスの検索や連携のためのプラットフォームとして利用しておくことで,より広い範囲で,サービス同士を結びつけたマーケット・プレイスが構築可能になるということだ。

 ここではe-speakの応用例を簡単に紹介した。XML(拡張可能マークアップ言語)を用いたサービス同士の連携などについては,日経インターネット テクノロジー本誌の8月号(7月22日発行)で紹介する予定である。