6月6日から米国アトランタで開催されている通信業界のイベント「スーパーコム(SUPERCOMM2000)」に参加した。

 同イベントでは,世界各国から通信事業者や通信機器メーカー,インターネット関連事業者など合計800社が出展している。来訪客の方は,事前登録だけでもざっと5万人という規模である。コンピュータ関連の展示会と違って一般客はほとんどなく,商談を目指すビジネスパーソンが中心となっているようで,その熱気はたいしたものである。日本企業よりも韓国,台湾の出展者が目立つのにも驚いた。

 初めてのぞく展示会なので例年との特色は比較しにくいが,同行の専門家の皆さんの意見を聞くと,「光ファイバー」「DSL」「VoIP(インターネットを使った電話)」「テレビと電話の融合」といったところが,いっそう前進してきているそうだ。

 「ワイヤレス」も至るところで見たが,日本のビジネスショウのにぎわいでと比べれば至って地味。通信サービスで焦点を当てる場所が,日米で大きく違っているのが印象的だ。

 総じて感想を言えば,米国の流れは,今のところブロードバンドとインターネットである。特に,「インターネットを通じてどれだけ高品質の音声通信を行うか」「どのようにしてテレビ映像をインターネットで中継するか」といった点に関心が集まっている。

 会場のあちこちで実際に電話をかけさせて品質を確認する実演が行われていた。筆者もいくつかのインターネット(IP)電話サービス業者のブースを通りかかったおりに,インターネット電話が無料(数時間だが)になるプリペード式のカードを何枚ももらった。インターネット電話は激しい競争の渦中に放り込まれたようである。

 インターネットは電子商取引(EC)ばかりが脚光を浴びているが,同時並行的に,放送や通信市場の主役の座を奪いかねない勢いである。インターネットを通じて起こる放送業界や通信業界の激震も考えておかねばなるまい。

 通信関連の展示会ということもあって,既設の電話回線を利用して高速デジタル通信を提供する「DSL」に関しても各社からさまざまな提案があった。さらに一段と高速な「VDSL」のサービスもいよいよ競争状況に突入しそうだ。アイデアとアイデアがぶつかり合い,一堂に会してせめぎ合う状況を見ると,米国の活力には底固いものを感じる。

 「インターネットと放送」「インターネットと通信」と,これまでとは異質の世界へとインターネットが侵略を始める兆しが感じられた。