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ケース1
 プリインストールされていたメール・ソフトを,いつものように使っていたら,エラー・メッセージが表示された。何度やっても同じエラーになる。どうしたらいいのかわからない。パソコンを買い換えようと思った(これは,メール・ソフトのバグで,修正ソフトが公開されていた)。

ケース2
 Windows 98を終了させようとしたら,30分間くらい待っていても終了画面のまま。パソコンが壊れてしまったのでは。その間にもパソコン内のファイルを壊し続けているのでは,という不安もあった(これは,よくあることで,だれしも経験すること)。

ケース3
 いつものようにメール・チェックをしようとインターネットに接続(ダイヤルアップ接続)しようとしたらつながらない。自分がなにか間違った操作をしたのだろうか,ひょっとしたらパソコンが壊れてしまったのだろうか(これは,プロバイダ側に障害が発生していた)。

 これらのケースはいずれも,日常的にメールやネット・サーフィンを楽しむ知人から相談を受けたことである。世の中には,同様のユーザーが数多くいることだろう。数年前からインターネットを利用しているようなベテラン・ユーザーの多くは,もともとパソコンのユーザーである。このようなケースは,いままでに何度となく経験し,原因や対処法を知っている。知らずとも,経験に基づいてある程度の推測が可能であろう。

 しかし,最近のインターネット・ユーザーは,ネット・サーフィンやメールのやりとりがしたくて,ネット・オークションに参加したくて,という動機でパソコンを購入したというケースが少なくない。

 もちろん,その方が“正しい”考え方なのである。ただ,ウイルスやクラッキングがあることをほとんど知らない。実行するときれいな花火が表示される,というEXEファイル(ウイルス感染プログラム)を親切心から友人にメールで送る。コンピュータ・ウイルスという言葉は知っていても,注意するまでに至らない。アンチウイルス・ソフトをインストールしてあったとしても,定義ファイルを更新する必要があることを知らない。

 それこそ,自分のパソコンを自由に操作されてしまうBackOrificeといった恐いソフトがあることなど知るはずもない。知らないうちに,パソコンにある情報をすべて盗まれていたり,自分のパソコンで悪さをしたりという可能性がある。12月にはJavaが動作する携帯電話が発売される。パソコンのように便利になるが,その分悪用される可能性が大きくなる。

ユーザー任せには限界が

 そろそろサービス・プロバイダやインターネット・プロバイダなどは,単にサービス内容を喧伝するだけでなく,セキュリティについてもう少し考える時期がきているのではないだろうか。ユーザー自身が責任を持つ,勉強すべきというのは正論であるが,現実問題,ユーザー任せには限界がある。

 小中学生のインターネット・ユーザーも,今後増えてくるだろう。「安易にインターネットからプログラムをダウンロードしてインストールしてはいけない」と言ったところで,たとえば「これをインストールすれば,遊戯王のレアカードをプレゼント」ということが書いてあれば子供は我慢しきれるだろうか?

 私自身,家族にインターネットの利用を勧めつつ,セキュリティ上の不安を感じている。

 ユーザーを保護する方法として,米SafeWebが提供するサービスが1つのヒントといえる。簡単にいえば,セキュリティを確保するためのプロキシ・サービスである。ユーザーはこのSafeWebにSSLで接続してWebサーバーにアクセスする。SafeWebはユーザーを特定させない機能を備えており,プライバシを守る。JavaScriptをチェックする機能も持つ。

 たとえばインターネット・プロバイダが,アンチウイルス・ソフトなどを搭載したプロキシ・サーバーを用意するようなサービスはできないだろうか。ファイアウォール機能もあった方がよい。こうすれば,パソコンをよく知らないユーザーでも,ある程度のセキュリティを確保できる。スキルのあるユーザーは,現行通り,すべてのトランスペアレントに通信できるようにする。そうでもしないと,あと2~3年もすると,インターネットの“便利さ”よりも“恐さ”が根付いてしまうかもしれない。これが恐い。

(小松原 健=日経インターネット テクノロジー)