サンフランシスコで開催されたJava技術の開発者会議「JavaOne2001」に参加した。世界最大の開発者向け会議と標榜(ひょうぼう)するだけあって,参加者は多いし,いくつもの会場を使っていたりする。通常はコンベンション・センターとホテルを一つ使う程度なのだが,今回は3~4カ所のホテルを利用して会議を運営していた。

 会議自体もなかなか実りの多いものだった。筆者はすでに東海岸に移動してしまったが,JavaOneの余韻がまだ残っている。今回の「記者の眼」では,興奮の冷めないうちに「コンファレンス(開発者会議や展示会)の楽しみ方」について考えてみよう。

観光地で楽しもう

 日本で開催される開発者向け会議は東京周辺だが,米国では観光地で開催されることが多い。これが大きな楽しみだ。

 たとえばJavaOneのサンフランシスコは,夏は涼しく冬も寒くなくて,1年中観光客が訪れる場所である。このほか多いのは,フロリダ州のオーランドやカリフォルニア州アナハイム。どちらもディズニーのテーマパークがあることで知られる。カジノの街ラスベガスや,ニューヨークで開発者会議/の展示会も少なくない。いずれも,会議の“ついで”に十分に楽しめる場所である。

 一説によると,普段は家やオフィスにこもりっきりで外に出たがらない開発者を引っ張り出すには,魅力的な要素が必要だから観光地が選ばれるという。確かにそういった要素もあるだろう。しかしJavaOneクラスの開発者会議になると,参加者数や展示会場の広さ,近隣のホテルの整備状況などの制約から,開ける場所が決まってくる。自ずと観光地が候補に挙がることになる。

 もう一つは,参加者の日常の拠点から近い場所を選ぶという考え方である。カリフォルニア州のサンノゼやサンタクララが開催地に選ばれるのは,シリコンバレーのIT関係者にとっての利便性を考えてのことだろう。もちろん,この地域にも遊園地「Great America」があるが・・・。

“出し物”に知恵を絞る主催者

 「観光地だけでは工夫が足りない」。会議の主催者はこう考えるのだろうか。観光地以外にも魅力的な“出し物”を,主催者側は用意してくれている。展示会とテクニカル・セッション,観光地だけで「はい,おしまい」という訳にはいかない。

 まずいくつかのアトラクションがある。今回のJavaOneだと,何と大リーグの観戦ツアーが組み込まれていた。地元サンフランシスコ・ジャイアンツとサンディエゴ・パドレスの試合だ。会場に隣接するIMAXシアターでの映画鑑賞会もあれば,B-52'sというバンドの生ライブも用意されていた。もちろん,展示会場でウェルカム・パーティも開かれる。

 まさに至れり尽くせり。「開発者会議」という本来の目的を忘れてしまいそうだ。

 さて開発者の諸氏がこういうイベントに参加するのは一種のご褒美なので,是非,十分に楽しんで頂きたい。もちろん。それに見合うだけの高額な参加費用を支払っているので,「元をとる」ことも重要だ。「参加費用が高すぎるから,アトラクションを減らして安くしろ」という批判もあろうが,せっかくだからリフレッシュして頂きたい(個人的には,1日中ゲームをできるようにしたり,さまざまな映画を流すのは少々やりすぎだったような気もするが・・・)。

 最後に筆者のような報道関係者の“楽しみ方”を紹介しよう。

 残念なことに我々の前には,仕事を離れて楽しめない厳しい現実が待っている。一つには,報道関係者向けのレセプションなどが多数用意されていること。特に海外の報道関係者に対しては,米国向けとは別の特別プログラムが用意されることがある。日本の報道関係者向けというのものある。残念(?)なことに,これらがお楽しみプログラムと時間的に重なることがあるのだ。

 もう一つは,インターネットでのニュース配信が挙げられる。多くのイベントは夕方に開催される。つまりイベントに参加するには,それまでにその日のニュースを仕上げておかないといけない。心安らかにイベントに参加できないからだ。

 やれやれ・・・。

(北郷 達郎=日経バイト副編集長兼編集委員)