昨日に続き,「動かないコンピュータ」である。ここでお断りというか,お詫びがいくつかある。前回(5月8日),筆者が偉そうに書いた返事の撤回である。第1回(3月13日)に下記のような意見があった。



コラム名は「動かないコンピュータ」に
[2001/03/13]
新コラムは「誤算の検証」ですか。(中略)個人的には「動かないコンピュータ」のタイトルで復活させて欲しかったですねぇ。以前、とても興味深く読ませていただいておりました。

谷島今年はじめから日経コンピュータで,「動かないコンピュータ」というトラブルを報道するコラムを復活させた。ただし,コラム名は「誤算の検証」にした。先の方に対して筆者は,「いろいろ議論したが,一度止めた名前を出すのはどうかと思い,誤算の検証という『もうそっとしといてくれ,という名前』(ある書き込みより)にした」と書いた。

 ところが,なんと10月22日号の日経コンピュータから,「誤算の検証 動かないコンピュータ」という名称にすることが決まってしまった(これもかなり変なタイトルだが)。編集部の内情を書くのはよくないが,これは編集長が翻意したからである。

 5年前に動かないコンピュータを打ち切ったのは,編集長と筆者の判断だった。このため,この二人がコラム名の復活に反対した。しかし,多方面から前の名前がいいとか,誤算の検証をやっているにもかかわらず,「動かないコンピュータをまた読みたい」とお便りを書いてこられる読者が多数おられた。このため,「谷島くん,やはり戻そうか」と編集長に言われ,上司には勝てず復活案を飲んでしまった。誤算の検証が残っているのは,筆者の妙な意地からである。

 戻すのがいやだったのは,伝説(というのは大げさか)が重荷だったから。小説でも映画でも漫画でもバンドでも,かつての名作の続編が作られたり,再結成があると,大喜びで読む(見る,聞く)ものの,「なんだか,昔のほうがやっぱりよかった」とよく思ったものだ。しかし,ぶつぶつ言っている暇はない。とにかく決まったことなので,頑張りたい。

 また,誤算の検証は記者の署名がなく,「誤算の検証」取材班という怪しげな名前を記載していた。これについては,誤算の検証に取り上げられた企業の社員の方から,「匿名原稿にかかわらず,企業を実名で批判するのは卑怯だ」という電話をいただいた。もっともであるので,名実ともに再開する「動かないコンピュータ」はすべて記者が実名を署名する。

 もう一つ,前言の撤回がある。



[2001/03/13]
データによる検証を是非期待しています。

谷島これは,プロジェクトの実態のようなデータをちゃんと取りたいという話である。この書き込みに対し,「なんとか今年やりたい」と答えたが,いきなり嘘になってしまった。諸般の事情により,調査企画の実現は来年以降になる。申し訳ない。

 それと単行本を出してはどうかという意見をいただいた。



[2001/05/09]
私も単行本化を期待します。いかに古い記事でも、普遍的な問題点を改めて浮き彫りにできると期待します。(後略)

[2001/05/08]
「『動かないコンピュータ』と『誤算の検証』の単行本を希望」に1票。(後略)

[2001/05/08]
過去の記事を読みたいので、「動かないコンピュータ」と「誤算の検証」の単行本を希望します。

谷島しかし,これは10数年前から企画・検討しては流れている。動かないコンピュータは登場する企業を実名で報道している。単行本にそのまま名前を出していいかというと,現在はトラブルから脱出されている場合もあり,許可はおそらく得られない。といっても匿名にしては,迫力がなくなる。悩ましいところである。

 最後の最後になってしまったが,前回分の書き込み(公開を了承されたもの)に対しても,すべてに返事を書くことにする。すでに引用したものについても別途返事を書いた。さすがに,ちょっとバテてきたので,返事は簡単なものにさせていただいた。ご了承を願う。



プロジェクトの理想系をきちんと理解せよ
[2001/05/23]
今まで超大企業から中小企業に至るまで数百社のシステム、システム部門、プロジェクトを見てきた。「動かないコンピュータ」の根本は人の問題だ。システムを作る人、頼む人、使う人のいずれかに、「相手の役に立ちたい」「相手に理解させようと努力する」「相手の立場にたって考える、また一緒に考える」といったハートがなければ駄目だろう。(谷島氏の記事が面白いのも記事にハートがあるからだ。)
 もう1つ合理的な意見を言えば、ものごとには定石というか理想系がある。(システム構築だと「要求まとめでは、経営者の意図や、現場ニーズを適切に吸い上げるキーパーソンをアサインする」や「技術的には、実績のあるものをできるだけ使い、実績無いものは早めにテストする、また出来るだけ部品化する」とか「管理的には、プロジェクト初期段階できちんと準備する、シュミレーションする」「見積もりは軽視しない」「能力的に不可能なものを安請け合いしない」など、きちんとあげていけば1000項目くらいにはなるだろう。)この理想系をきちんと理解し、実際のプロジェクトで、どこにギャップ(理想系とのずれ)があるか、わきまえて当たることが重要だ。

谷島プロジェクトのTIPSなどを作って,本か日めくりカレンダにすると売れるでしょうか。すいません,商売の話をして。



開発者向けの良書はないのか
[2001/05/18]
いきなり Perl や PHP でゴリゴリとコードを書きなぐるような開発者は多いと思います。 そういう人を説得するために、 1. どうしてその方法論ではダメなのか 2. その代わりに、どういう手順で進めるべきなのか をコンパクトに、かつ読みやすくまとめられた本があれば迷わず買うと思います。ただ、今の所そういう本は見当たらない・・・。 もし御存知でしたらこんど紹介してください。「メインフレーム」云々のくだりは、メインフレーム上での開発手法を知らない人には通じません。知らない人にも分かるように書いて欲しかったところです。

谷島本はいろいろあるようにも思いますが,コンパクト・読みやすいとなると難しいのかも知れません。やはりカレンダでしょうか。それとメインフレーム云々は紙の記事のほうでしょうか。



研修の際に使っている
[2001/05/15]
いつも興味深く、また身につまされる思いで拝読しております。教育を担当しており、研修の際に、閑話休題的に紹介させて頂いてります。

谷島研修材料を増やすべくがんばります。



中身に興味はない,要は使い勝手
[2001/05/15]
システム屋さんの意見が多い気がしますが、実際に使用するユーザーにとっては操作性のいいコンピュータが一番いいコンピュータだと思います。だから、使い勝手の悪いコンピュータは手で仕事をしたほうが早くなるので、使われなくなってしまう。ユーザーにとっては内部のプログラムの話しなどどうでもよく、使い勝手がいいものが欲しいということをわかっていないSIやPGが非常に多いと思います。

谷島確かに,「システムは使われてなんぼ」ですからね。



頑張れ
[2001/05/11]
記者の方と双方向で、問題意識を共有し掘りさげていく、こんな企画はとても面白いですね!! 本業の他に非常に大変なことては思いますが、谷島様には益々頑張って頂きたい気持ちです。また、他の記者の方々も、インターネットのようなメディアでフィードバックが得られるようになると、「書きっぱなし」とはいかないことを認識頂いて、読みごたえと反応しがいのある記事が溢れることを期待します。本筋とは違いますが、率直な感想です。

谷島体力の続く限り頑張ります。



「猿田医学」・・・には笑った
[2001/05/11]
大変面白く、一気に全部読みました。私のコメントも取り上げられていましたが「さる大学」のつもりが「猿田医学」には笑ってしまいました。動かないコンピュータの原因になりそうな、ワープロの欠点ですね。ご活躍を祈ります。

谷島谷島も猿田医学ってなんだろうと首をひねっていました。



日本人とコンピュータとの相性に問題があるのでは?
[2001/05/11]
所詮、ITは道具にすぎません。一方で、「自分が本当に実現したいこと」が何か、往々にして不明確なことが人間にはよくあります。これがかけ算されれば、目的と手段の倒錯が起きる蓋然性が高くなるでしょう。その意味で、常に発生しうる問題です。このところの爆発的、大容量化、高速化はその倒錯をますます強化する危険性が高い。私はIT技術については素人ですが、日本人とコンピュータという「変な」機械の相性の問題もあるように思います。

谷島コンピュータは,「本当に実現したいこと」が不明のまま購入されることがある「変な」機械です。半導体製造装置や工作機械を買った人が,さて,なにを実現するかと悩むことはないですから。そこがコンピュータの魅力でもあるのでしょう。



発注側の勉強不足が目立つ
[2001/05/10]
総じて、今現場を見ていて、発注側の勉強不足が目立つ、ベンダに頼りきりでポリシもないし文句もいわない。これではよくなるはずもない。

谷島お客様は神様ですが,「何をしたいのか」をとにかく言ってくれないと確かに困ります。



「動かないコンピュータ」が教科書だった
[2001/05/09]
「動かないコンピュータ」とてもなつかしく思いました。今から15年ほど前、入社2年程度の私が、会社のオフコン導入の実質的担当者として、どのようにしたらちゃんとコンピュータを軌道に乗せれるか常に心がけているときに、このコラムと出会い、毎号教科書の様に読んでいました。おかげで、当社は何の問題もなく、オフコンを立ち上げることが出来ました。今「誤算の検証」として新たにスタートしていますが、一般的なシステム環境は、当時より、なおやっかいではないかと思います。当時はOSやネットワークについてそれほど知らなくても、COBOLさえ知っていれば良かったわけですし、ちょっとSQL文を変えるだけで、パフォーマンスが100倍・1000倍に変わることも無かったのですから。体感的には、オープン系は、COBOL時代の3倍の負荷が、システム担当者にかかるようにさえ感じます。

谷島オフコンは死語になりました。それどころか,メーカーは新製品を出さなくなっています。よくできた便利なコンピュータだったのですが。



動かないコンピュータを是非,単行本に
[2001/05/09]
私も単行本化を期待します。いかに古い記事でも、普遍的な問題点を改めて浮き彫りにできると期待します。コメントを読んで、筆者の真摯な態度に好感が持てました。

谷島実際の本人はそれほど紳士ではありませんが,「原稿を書くと人が変わる」とよく言われます。



筆者の丁寧な対応に敬意
[2001/05/08]
「『動かないコンピュータ』と『誤算の検証』の単行本を希望」に1票。コメントに対する記者の丁寧な対応に対して、敬意を表します。

谷島恐れ入ります。



動かないコンピュータへの提言
[2001/05/08]
私が勤めている会社も「動かないコンピュータ」にある案件を取り上げられました。今後さらにこの記事を有効に扱うには原因が1.ハードウェア、2.OS、3.DBソフトなどミドルウェア、4.ユーザアプリケーション、5.開発期間、6.金額的な見積もり誤り、など具体的な項目に分類して、その傾向が変わっていくのかなどトレースしていただけるとありがたい。

谷島それは失礼しました。ご了承ください。事例の分類はやってみたいと思います。しかし,安易に約束するとまた恥を書くので,「みたいと思う」という表現にさせていただきます。



すべてのカギは現場にあり
[2001/05/08]
たいへん感心したので登録しました。ボクは今、たいした能力もないのにWebコンテンツ関連のベンチャー会社に「もぐりこむようにして」雇ってもらっていますが、本来ならば今ごろ失職しているような「たいしたことない」ことをやっているにもかかわらず、だらだらと仕事をしています。とはいえ、失職だと生きていけないので、どうしたらよいのかわからなくなってしまうので、今のところはこのままでいいのですが。
しかし、やはり「いきなり開発」です。「明後日までに作ってくれ」など、仕様も定まってないのに、いいのかそれで?と何度も不思議に思っていますが、何故かまだ(マシンも会社も)動いています。それもこれも、優秀な「体育会系営業のなせる技」です。 同僚はセキュリティがなってないとか、嘆いていましたが、これが周囲もそうだとすると、日本のITはお先真っ暗かもと思ってしまいます。単行本とかもそうですが、大々的にWebで公表してもらえると、貧乏人には大助かりです。執筆がんばってください。

谷島すべてのカギは現場にあります。たいしたことはない,とおっしゃらず頑張って下さい。



ITの行く末に不安
[2001/05/08]
IT業界の端くれに身を置くものとして、常々思うことですが、このままでは、IT業界は、駄目になってしまうのではないかと思います。 IT業界を包括した、情報処理技術の格付けが必要なのではないでしょうか?システム技術者の個々の技量の明確な物差しが無いこと、また、情報システム構築プロジェクトにおける発注側の責任範囲の明確化(法制化)が皆無であることが、問題であると思います。

谷島課題は多いですが,世界に冠たる資源ゼロ国の日本は,ITで食べていくことが欠かせないと思います。



「システム構築プロジェクトの基本を学校で教える」に賛同
[2001/05/08]
『マスコミの責任も大きい』に回答されていた内容で、「設計,テスト工程と開発期間など,システム構築プロジェクトに関わる基本的なことは,学校で教えてはどうかと思います。ちゃんと説明すれば,小学生であっても分かるのではないでしょうか。」に対して賛同します。私は情報系の専門学校にいましたが、本当に現場で使うのかと思うような高等技術ばかりを教えており、プロジェクトに関わる事は殆ど教えていない状況でした。ここで、プロジェクト開発の一連作業を経験させておけば、もっと現場に入った時に理解しやすく、作業も進むのではないかと考えています。学校というお役所の縛りもあるかと思いますが、是非考えてもらいたい内容だと思っています。

谷島賛同を得て意を強くしております。「小学生向け日経コンピュータ」とか,作ってみたらどうでしょう。



動かないコンピュータは再生できないのか
[2001/05/08]
大変面白い内容でした。そして、大変参考になりました。動かないコンピューターは増えていますが、動かなくなったコンピューターを持っている企業をこれから再生して行くことが大切だと思います。どうしたらいいのかわからなくなっているところが非常に多く見受けられます。これらを導入した業者はほとんどがそっぽを向き、新しいシステムを開発しているところが多く見受けられます。開発したところでなければ、再生することは大変難しくなり、今までのシステムを放り投げなければならないというのが現状ではないでしょうか。
そんなら新しいものを入れればいいじゃないかといわれるかも知れませんが、出来るところはいいでしょうが出来ないところが多いのが現状だと考えます。開発ベンダーなどがフォローアップをするべきだと思います。おそらくコストが掛かり過ぎると手を出さないでしょうが。そんな企業がはびこっているようでは日本経済はいつまでたっても立ち上がれないでしょう。そしてITバブルといわれ続けのではないでしょうか。

谷島根深い問題です。ITコーディネータは,この辺の問題を解決しようという気持ち(あくまでも気持ち)からできつつあるわけですがなかなか。一つは,もう引退されているベテランにボランティアで,駆け込み寺をやっていただくことでしょうか。



フィードバックに感謝
[2001/05/08]
すべてのコメントへの返信、お疲れ様でした。書いたかたからのフィードバッグがもらえてとてもうれしく思えます。返信のなかで書かれていたことは、これから時間がかかっても記事にしていただければと思います。(取り敢えず、もう一年は日経コンピュータを購読します) p.s. 「記者の目」BBS を立ち上げると面白いのにとは思いますが、あれるのがわかっているのでむずかしいですね(^^;

谷島購読継続,誠にありがとうございます。しかし,約束違反をすると解約される危険もあるわけですね。心します。



「出来ること」と「出来ないこと」が不明瞭
[2001/05/08]
前回の記事とその質疑応答を見て非常に参考になりました。今後に展開に期待してます。個人的にもうひとつの側面として思い浮かぶのは、現在の日本人の意識にもあるように思われます。15年前のパソコンブーム、1995年のWindowsの異常なブーム、今回のIT革命と言い「出来ること」と「出来ないこと」が不明瞭なまま爆発的に普及し結局、「出来ないこと」に阻まれ「動かないコンピュータ」が誕生しているように思われます。そして「出来ないこと」の説明、解説や「出来ること」の条件付けがなされないまま済し崩しになっているような気がします。

谷島ご指摘の点もまた,教育問題かもしれません。ITというと,魔法の杖みたいな扱われようですからね。



従来技術の実力を過小評価すべきではない
[2001/05/08]
「マスコミの責任も大きい」というタイトルのコメントを書いた者です。こんな形でお返事を戴けるとは思っていなかったので、嬉しい驚きでした。「基本的なことをしつこく報道」する件、宜しくお願い致します。新技術にスポットを当てるのも良いのですが、新技術の実力を過大に評価したり、従来技術の実力を過小に評価することにならない様にお願いします。その意味では、「中堅企業にはオフコンで十分」という発想(新技術、従来技術を含めた適正評価)は重要だと思います。

谷島報道姿勢について,「新技術の登場当初はそれが持つリスクのことも書け,しばらくたって新技術を批判する声がでてきたら,定着させるための勘所を書け」という手紙を最近もらいました。



"No"と言える勇気
[2001/05/08]
先のコメントにしても、今回の記事に対するコメントにしても、「~だからダメだと思われる」的なものが多いですが、比較的主観的な視点での内容ですね。先の記事としては、原因がどこかにある -> それらが複雑になっている -> でもどこか見直せるところがあるはずでは?とヒントを与えてくれているようにも思います。あとは現実の解を見出せるか?ということになりますが、こればかりは「誤算の検証」を1例として自分自身で考えて行動するしかないようです。それでも、"No"と言える勇気(だけではありませんが)の源を見出していきたいですね。

谷島今回の長文がなんらかのヒントになっておれば幸いです。



議論の場を提供します
[2001/05/08]
記事をあまり拝見しておらずコメントするのは失礼かと思いますが、この記事は何を訴えたいのでしょうか?キャンペーンとしての内輪話なのか、読者に何か提案されているのか、従来の一方通行記載の改善案なのか判然としません。報道していただき、考察を加えられた内容に対する議論の場を提案されているのなら歓迎しますが…

谷島前述しましたように,今後,議論の場としたいと考えます。歓迎のほど,よろしくお願いします。



定期的な掲載を望む
[2001/05/08]
この記事自体は、読者と記者の両方で得る物が大きい。できれば、定期的に載せて欲しいものである。負担が大きいから4半期に1回くらいか。「システムが動かない原因はこれだ」などと特定はできる訳がないが、多くのケース・考え方を公開することで、少しでも現状が改善されることを望む。

谷島第一回が3月,前回が5月,今回が10月。もう少し早くやらないといけませんね。世の中,四半期で動きつつありますから。すると次回は年末,いや,それは雑誌の年末進行というものがありまして・・・。でも新年早々,動かないコンピュータも見たくない(書きたくない)という気もします。



日本語表現に致命的な欠陥が
[2001/05/08]
コンピュータの世界が英語圏のもので、日本語表現に致命的な欠陥が含まれていることを誰も指摘していないところが大問題です。これが解決できなければ使える、動くシステムなど砂上の楼閣に過ぎません。どんなに優秀なエンジニアを揃えた所で日本語の文字セットの欠陥を回避できなければシステムは動きません。断言できます。 -Robert

谷島不勉強でよく分からなかったのですが,ユニコード問題でしょうか。



繰り返される「動かないコンピュータ」
[2001/05/08]
私も15年ほど前に社内の在庫管理システムの設計に携わりましたが、1年の運用で廃棄した経験があります。読ませていただいたコメントにもありましたが、最初からシステム設計が固まっていることはまれで、作り上げて行く過程で各部門からの要望を受け入れざるを得ず、結果としてSIベンダを悩ませることの繰り返しで、システム本来の目的が達成できず、まさに"動かないコンピュータ”状態でした。コメントを読ませていただいて、時間が経過した今でも、同じ問題が存在することに驚くとともに、人間が設計する以上、”動かないコンピュータ”はなくならないと実感した次第です。(設備製造 53歳)

谷島人間が一番複雑で難しいです。



過去の記事を読みたい
[2001/05/08]
過去の記事を読みたいので、「動かないコンピュータ」と「誤算の検証」の単行本を希望します。

谷島前述した通りです。匿名でもかまわないという読者が多ければ企画しますけれど。



元気が出るプロジェクトの話も扱いたい
[2001/05/08]
発注側/受注側の関係の中、受注側(開発側)の立場で意見をさせともらうと、システム開発(ソフト)はまだまだ適正な価格評価をされていない気がします。一昔前みたいに一円入札事件のようなことは無くなった(?)と信じたいが根元にはハードのおまけがソフト的な感覚が残っているのではないか?
「システム化要求の増大,工数不足,経験不足,スピード化の要求等々,これからもどんどん動かない例は増えるでしょう。」のコメントが現状であり、背景には、おまけ意識(ハードが安くなった分ソフトも安くなるでしょう)と3K(きつい、帰宅できない、気が休まない)の仲間入りをしてしまった事が有ると思います。
優秀な人材で長期に渡りデートする時間が持てなくてソフト業界をやめたという,嘘とも冗談ともとれる理由で辞めた若者いました。人材が育たず、経験者は辞めてしまう、自己啓発をする余裕が無くでは、IT立国としてやっていけるのでしょうか。

谷島システム開発産業の地位向上は深刻な課題と思います。今後を担う若者が積極的に来てくれるようにしないと日本沈没です。動かないコンピュータも重要ですが,見事に成功あるいはなんとか成功した,元気が出るプロジェクト話も報道したいと思います。



経験豊富な人が現場にいない
[2001/05/08]
開発を行う側にあいかわらずメソトロジーが無い事も課題先延ばしの原因と思います。これは実際に携わる人の低年齢化とノウハウ不足が大きく関係しているのでは?設計やPMって20代~30代が多いですが本来経験豊富な40代、50代がすべきかも。でもこのクラスの能力ある人は現場引退してるんですよね。建築ってすごいですよね。別々の国が双方からトンネル掘っても繋がるんですから。情報システムって同じ会社でもうまく繋がらない事多くありません?システムってバブル期の欠陥住宅みたい。IT産業ってバブルですよね

谷島名古屋駅の新ビルのプロジェクトはたいへんなリスクだったと思いますが,見事に完成しました。やはりビルはシステムと違って眼に見えるからでしょうか。



感服
[2001/05/08]
面白い読み物になったと思います。掲示板等での議論にはない、静的ではあるが無駄のない内容で、すらすらと読みました。谷島さんへの負荷はただならぬものがあるでしょうが、話題を絞りコメントを求め今後このような記事を書いていただきたい。

谷島いや,これを書くと誉める人が減るかもしれませんが,実は負荷はそれほどでも。書くのが商売ですから。



学校は『問題解決の手段を考える』場のはず
[2001/05/08]
『システム構築…は,学校で教えてはどうか』という発想、まったくその通りだと考えます。『システム構築』というわけでもないのでしょうが、以前の学校という場はそのような『問題解決の手段を考える』『失敗事例をみんなで共有し、何が問題なのかを突き詰める』所であったように思います。 (単に授業の中だけではなく、部活動・クラブ活動とか、野外学習などの全般を通してのことです)

谷島やはり,「よいこの日経コンピュータ」の創刊でしょうか。ただ,受験には何一つ役立たないので,売れない。問題解決の手段を考える,まさに重要です。



止まらないWebサイトをモットーにするが・・・
[2001/05/08]
情報システム部門から外れてWebサイトを管理運用している立場で、皆さんの意見を拝見しました。「止まらないサイト」をモットーに管理する側から見ると、SEの勉強不足と思われる原因も多い(勉強しなければならないことが多すぎるのかもしれませんが)と思いますが、こちらの勉強不足による不適格な指示も一因であると反省の日々です。今後の記事にも期待しています。

谷島Webサイトもくせ者で,通常のシステム以上に管理運用がたいへんだと思います。



日本の能力開発が遅れている
[2001/05/08]
能力の無いSE/ISが多いと言うことです。勿論、理解できない経営者も多い。日本人の能力開発が遅れている現実が明らかになって来ている。優秀な海外の人をもっと受け入れるべきなのかも。残念ですが。

谷島残念です。個人的には,日本人は優秀だと思いますが。もちろん,海外の人との交流も大事です。



工夫が足りない
[2001/05/08]
客先要件を実現できないシステムは存在しない、ERPであれなんであれ、プログラムを書けば何でもできる当たり前ですね!これが受注の際の常識となっている!最近はITコンサルの花盛りで相対的に質(システム構築力)の低下を招いているような気がしています。限られた予算の中で、どうするか?が勝負なのに、SIもコンサルもユーザーも結論!Windows世代はダメということですね!工夫が無い!ZeroかOneしかない世界なのに!

谷島限られた時間と費用で,山ほどある要件をどうさばくか(切るか)というプロジェクト定義の問題ですが,どなたかがおっしゃったように,NOがなかなか言えない。



はやり文字で攪乱する売り上げ至上の体質
[2001/05/08]
いろいろなコメントがありますが、私は、この問題の主要な責任は、売る側(作る側)にあると考えています。企業倫理の問題だと思います。動かない自動車を買った方が悪い?リスクの大きい金融商品をだまされて買うお年寄りが悪い?細菌が入った牛乳を飲んでおなかをこわした方が悪い?極端ですが、できないとわかっていても、わかっていなくても作ると言って完成しない責任は、売る(作る)側に決まっています。自己責任は、情報が共有されているときのみに生じるものです。明らかに、システム自体の完成見通しの情報は、作る側が持っています。まともに作る努力もしないで、はやり文字で攪乱する売り上げ至上の体質がありありと浮かびます。

谷島「はやり文字で攪乱する売り上げ至上の体質」については自省します。



“NoといえるSIベンダ”が少ない
[2001/05/07]
PJでサブリーダをしていると常に感じる不満がまさに「“NoといえるSIベンダ”が少ない」でした。(パッケージありきでPJが始まった。)コメントされている内容はすべて共感できる内容です。誤算の検証でもどんどん事例を具体的にかつ明らかにしていただきたいと思います。

谷島顧客のために,“NoといえるSIベンダ”はキーワードになりそうですね。ここにこめられた意図を誤解されるとえらいことになりますが。

谷島 宣之=日経コンピュータ副編集長)