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 ちょっとしたことですが,Webシステムが増える中で以下のようなご経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。見方によっては,使い手不在のシステムは世にあふれているのかもしれません。


ブラウザからデータを入力させるシステムだったが,横スクロールが生じたりして入力しづらくなっていた。最低限の機能は満たすが,できてみると非常に使いづらかった。
(ユーザー)

理解を深めるべきものがまだ多い

 いずれの原因で役に立たないシステムが誕生しているとしても,問題の解決は簡単ではありません。ただそれでも,いくつかの有効な方策についてご意見をいただいています。

 目的のはっきりしないシステムが生まれていることを指摘した部分でも書きましたが,一つには定量化,見える化を徹底することが対策の一つになります。これは何も,開発を継続させることが前提になるのではなく,プロジェクトの中止や前向きな方向転換にも有効なようです。


勇気ある撤退や方向転換を,英断と捉えず,失敗と捉える評価の仕組み,評価の指標。
プロダクトやサービスの評価を適正に行うプロセスを常に確立しておくこと(システムの大半は,リリースしたらしっぱなしで,開発側も利用側も,モニタリング・プロセスを無視している)
(ユーザー)

 評価の仕方によっては,システム部門の意識を変えることも可能かもしれません。また定量化の試みは,以下のご意見にあるしっかりとした事前検討の実現に直結するものだと思います。


併行して進行していた案件が挫折するのは数件見ており,私は運が良かったとも言えます。無用なシステムと化した主因は,事前検討の甘さが大半であると考えます。(1)最終系システム像に対する議論(含:必要性,リスク管理)が尽くされていない。(2)システム効果が発揮される前提(組織・要員,事業方針,業務フロー等の変化)を考慮していない。(3)予算を通すために意図的に過大評価され,本質的課題を議論する気風が欠如してしまう。(4)粗計画で作成された不適格なスケジュールが一人歩きする(予算管理主導で案件遂行)。

(1)目的・効果をオーソライズし,広く質疑・提案・議論できる雰囲気を創り上げることが有意義。システムにかかわる多くの立場の人,特に利用者を交えて計画を練ることで,実態業務との矛盾を回避し,利便性への配慮が深まったシステムとなり,利用者側の利用責任高揚にもつながる。これに反して,利用者側の意見を取り入れず,経営+情通部門主導でシステム計画し,ベンダに丸投げするケースでは問題を生じやすい。 (2)事業は生き物であり,どの程度の変化(*注)までを想定したシステムとするかについても事前検討して,有効性を具体的に予測すべきであり,可能であるならシステム有効性についてリスク分析して検討経緯をドキュメントで明文化して検証可能とする。 
(*注)現状プロセス分析を詳細に行なった上で,システム利用年数を踏まえて,組織・要員,業務プロセス, 販売形態,売上規模,等々の変化を見通し,システム有効性の現実感を押さえる。

(ベンダー)