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 トップの役割が大きなことは当然です。

 


(1)経営者がITを「正しく」理解していること。現下の経営者はITなど影も形もない時代に現場の一線にいた人たちですから,ITと経営をどう摺り合わせねばならないかを考えるのは,不可能ではないにせよ,相当ハードルが高いであろうことは想像に難くありません。経営者ともなれば,優秀だからこそその立場にいるのでしょうが,その「優秀」のモノサシはITが無かった時代の古いモノサシだと言うことを忘れてはなりません。
(2)経営者の考えが末端の実務者まで十分に浸透する組織になっていること。これはITとは関係ないことですが,「会社の進むべき方向性」という類の話題で,トップから実務者まで同じ言葉が返ってくる会社はかなり少数派です。経営者の考えを浸透させる組織作りに成功している企業はほとんど無いと言うことです。これがなければ,新しい情報システムを作ったところで,活かされないのは自明でしょう。IT以前の段階での「コーポレート・ガバナンス」をしっかりやること。これが最大のハードルです。
(ユーザー)

 では,トップや上司のシステムに対する理解や関心が浅く,役に立たないシステムが生まれている時に,システムの担当者はどうするべきなのか。この問題に対する回答は,残念ながら持ち越しとすべきかもしれません。

 実際に,プロジェクトを失敗させたからではなく,愚直に意見を述べて左遷されたシステム担当者もいると聞きます。あるベンダーの方からは「一社員がどうにかできることでしょうか?」というご意見をいただいています。

 ただ,記者は一社員にできることがないとは考えたくありません。このテーマについては,重い課題と受け止めて,今後の取材を進めていきたいと思います。

 なお,動かないコンピュータ・フォーラムの今後のテーマ,あるいは動かないコンピュータについてのご意見がおありの方は,日経コンピュータ編集部(ncreader@nikkeibp.co.jp)までメールをいただければ幸いです。今後の参考にさせていただきます。これまでに議論したテーマはバックナンバーでご覧になれます。

(中村 建助=日経コンピュータ)