2002年の新春を迎え,90年代を席巻したインターネット・ブームは,はるか昔のことに思える。ネット・バブルが崩壊したのは2000年だが,ドットコム企業の倒産が激しさを増したのは,むしろ翌2001年に入ってからだった。

 この手の統計を取り続けているWebmergers.comによれば,ドットコム企業の倒産(Internet Shutdown)は2001年の第2四半期にピークを打ち,それ以降は急激に減少している。年ごとに比較すると,2000年の倒産件数が225件,2001年が537件だった。しかし2001年の12月には,ドットコム企業の倒産件数は21件と,最も多かった同年5月(62件)の約3分の1にまで減少している。バブル崩壊の嵐も,2年たってようやく収まったというところだろう()。

 それにしても,倒産件数が急減したということは,一体何を意味するのだろうか?意地の悪い見方をすれば,「ほとんどのドットコム企業が倒産してしまい,今やどこも残っていない」と考えることができる。しかし,この解釈はどうも違うようだ。

 Webmergers.comによれば「(正確な統計は存在しないが)公式に資金調達を受けたインターネット(ドットコム)企業の数は,少なく見積もっても7000社から1万社は存在する」という。もしその通りだとすれば,バブル崩壊によって倒産したドットコム企業は,多く見積もっても全体のわずか10%程度ということになる。

 バブル期に百花繚乱の様相を呈した大型ドットコム企業(high profile companies)の散り際が,これもまたあまりに華やかで潔かっただけに,ごく一部の例外を除いてインターネット企業のほぼ全体が絶滅したかのような印象を抱いていたが,それは錯覚だったようだ。むしろ多くのインターネット企業は厳しい環境下を,しぶとく生き長らえているのだ。

 結局,どんな企業が生き残ったのだろうか?我々に馴染みの深いB2C,中でもhigh profile企業の中からめぼしいところを探してみると,まずeBayのように設立当初から営業利益を維持してきた堅実な企業がある。逆にAmazonはいまだに赤字を続けているが,ここはあらゆる面でビジネス・モデルを開拓し,それによる先行者利益を享受してきた。PricelineはCEOが代わり,取り扱い品目を航空チケットなど旅行関係に絞り込んでから,息を吹き返した。航空チケットはB2Cの品目別売上げの中で,ダントツのトップである。

 このように生き残った企業には,やはり相応の合理的な理由がある。インターネット企業だからといって,非常識な行いがまかり通るはずがなかった。恐らく,バブルに惑わされず,ごく常識的な経営をしてきたドットコム企業が生き残ったのだろう。ブーム期には目立たなかったが,そうした企業は数多く存在した,ということになる。