(2000.8.31)
 米BellSouthと米SBC Communicationsの合弁企業設立計画を米司法省が条件付きで認可した。両社が米国時間8月30日に明らかにしたもの。

 認可の条件は,市場を独占するおそれのある地域における無線事業の売却。両社事業の統合によりこれら市場で両社の競争力が増大することを避けた措置である。

 これに対して,両社は司法省の条件に合意する声明を発表した。「我々は合弁の発表時に,すでにこの問題について取り組んでいた」(両社)。

 とりわけ両社の競争力が増すと考えられる市場は,インディアナポリス,ニューオーリンズ,ロサンゼルスだが,SBC社はインディアナポリスの事業を米AT&Tに,またニューオーリンズの事業は米Alltelに売却する計画を発表済みである。ロサンゼルス事業の売却についても今年12月18日に詳細を明らかにするという。なお両社は司法省の条件について,「スケジュール的には何ら問題がなく,売却は予定通り完了する」と発表している。

 BellSouth社とSBC社は米国時間4月5日に,両社の米国内無線通信事業を統合し,新会社を設立すると発表していた。両社によると,新会社は「1800万人の加入者と1億7500万人の潜在顧客を抱え,米国の34州および,コロンビア特別区,二つの米国準州をカバーする米国で2番目に大きい無線キャリア」(両社)が誕生する。

 両社の合弁企業の設立については現在,米連邦通信委員会(Federal Communications Commission)が調査中。欧州連合は承認済みである。

 両社は「まもなくすべての機関からの承認が得られ今年中には事業を開始できる」と今後の見通しについてコメントしている。

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