米Microsoftが,Windows CE 3.0の開発者向けアドオン・パック「Windows CE 3.0 Add-On Pack」をリリースする。組み込み業界の展示会であるEmbedded Systems Conference(ESC)で同社が米国時間9月25日に明らかにしたもの。
Microsoft社は,Windows CE 3.0を開発者キットの「Platform Builder 3.0」と組み合わせたパッケージ製品として販売しているが,このアドオン・パックはPlatform Builder 3.0の追加コンポーネントとなる。これまでのPlatform Builder 3.0に合計200種類以上のソフトウエア・コンポーネント/モジュールを追加するもので,新たにXMLをサポートするなど,同社の「.NET」構想を組み込み向けの分野にまで広げた最初の取り組みという。
「Windows CE 3.0 Add-On Packは組み込み向けの開発者に,ネットワーク/コミニュケーションの新技術だけでなく,先進的なシステム解析ツールを提供する」(Microsoft社)。
Windows CE 3.0 Add-On Packで提供する各コンポーネントの概要は以下の通り。
・XMLパーサ
・Internet Connection Sharing (ICS):同一ネットワーク内でインターネット接続の共有を可能にする
・Point-to-Point Tunneling Protocol (PPTP) :遠隔地のユーザがインターネットを介して安全に企業のネットワークに接続できるようにする
・Crypto API 2.0:セキュリティ機能の強化。Smart Cardをサポートする
・Remote Desktop Protocol (RDP) 5.0:WBT(Windows-based Terminal)などWindows CE 3.0搭載のクライアント機器から,Windows 2000の「Windows 2000 Terminal Services」で走るアプリケーションにアクセスできるようにする
このほか,Platform Builder 3.0にはシステム解析ツールも含まれる。カーネル・プロセスやスレッド,システム・イベントを視覚的に表示する「Kernel Tracker」やデバッグ機能を提供することで,開発者が迅速に製品を市場投入できるようにするという。
Microsoft社は,Windows CE 3.0 Add-On PackをPlatform Builder 3.0に組み込んで販売する。なお現在のPlatform Builder 3.0のユーザには無償で提供する。Windows CE 3.0 Add-On Packを組み込んだ,評価版のPlatform Builder 3.0も提供を始める。
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