米Motorolaが米国時間9月26日に,ネットワーク・セキュリティ・プロトコルの処理に特化したセキュリティ・プロセサ「MPC180」と「MPC180e」を発表した。Bulk Data暗号や公開鍵暗号に対応する。MPC180eは楕円暗号にも対応するため,無線インフラでの用途に向く。
ネットワーク・セキュリティ・プロトコルは複雑なアルゴリズムを持ち,ホスト・プロセサの性能を低下を招くことがある。MPC180とMPC180eは広帯域接続, CPE(ケーブル・モデムやセットトップ・ボックスなどの顧客宅内機器),ルータ,WAPゲートウエイなどで利用されるIP Security Protocol (IPSEC),Internet Key Exchange (IKE),Secure Sockets Layer (SSL),Wired Access Protocol (WAP),Wireless Transport Layer Security (WTLS)といったプロトコルの処理を行い,ホスト・プロセサにかかる負荷を取り除く。
MPC180とMPC180eはTriple Data Encryption Standard (3-DES)方式のBulk Data Encryption,SHA-1認証などに対応する。MPC180の処理能力はRSA方式の公開鍵の場合,シグネチャ時間が32ミリ秒で1秒あたりのIKE接続は最大13回。MPC180eの処理能力は楕円暗号の場合,シグネチャ時間が11ミリ秒で1秒あたりのIKE接続は最大45.5回。
1万個ロット時の単価はMPC180が16ドル25セント,MPC180eが20ドル25セント。ともに100ピンのLQFP (low profile quad flatpack) パッケージに封止する。2000年第4四半期にサンプル出荷を開始する予定である。
ちなみに米Gartner GroupのDataquestでは,セキュリティ・チップ事業は2000年から2004年まで年間平均成長率65%で拡大すると予測している。
セキュリティに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「セキュリティ」で詳しくお読みいただけます。
[発表資料へ]