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 米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間4月12日に,2000年第1四半期の決算を発表した。売上高,純利益とも過去最高となった。

 同社は4月6日の時点で業績の上方修正を明らかにしていたが,それをも上回る好決算である。売上高は10億9202万9000ドル(6日の時点では10億6000万ドル超)で,前期比13%増,前年同期比73%増の大幅な増収となった。純利益は1億8934万9000ドルで,前期比190%増とほぼ3倍となった。前期の純利益は6508万ドル。ちなみに前年同期は1億2836万7000ドルの大赤字を計上していたことを考えると,業績はまさに様変わりした。なお,AMD社の上方修正に関しては「AMDの2000年Q1決算,売上高は過去最高の10億ドル超を見込む,Athlon快調」を参照されたい。

 好業績を支えるのは,パソコン向けのx86プロセサとフラッシュ・メモリである。

 パソコン向けx86プロセサの売上高は,前期比14%増,前年同期比65%増と大幅に伸びた。Athlonプロセサの出荷台数は120万個に達した。99年第4四半期に比べて50%増である。K6ファミリとAthlonを合わせた出荷個数は650万個とこれまた過去最高。

 先日来日したW. Jerry Sanders III会長兼CEOは記者会見で,「2000年に2500万個のx86プロセサを出荷する予定」と語った。年末商戦直後という季節要因で,出荷個数が少なくなる第1四半期ですでに1/4以上に達していることを考えると,AMD社の目標はほぼ確実に達成できそうだ。このままいくと,x86プロセサ市場におけるAMD社のシェアは,16%を超えることになる(Sanders氏の会見のもようは,「日本でのシェアは24%を獲得した--米AMDのSanders会長」に詳しい)。

 このほか,2次キャッシュをプロセサ・チップに集積したAthlonの派生品のサンプル出荷をすでに始めていることも明らかにした。高性能タイプの「Thunderbird(開発コード名)」と低価格ねらいの「Spitfire(開発コード名)」である。いずれも2000年第2四半期中に量産出荷を始める。Thunderbirdは,0.18μmルールの半導体技術を使ったチップ。既存のAthlonの「Slot A」だけではなく,「Socket A」と呼ぶインタフェースを用意する。Spitfireは,低価格化のためにSocket Aのみの対応となる。このほか同社は2Mバイトの2次キャッシュを集積した「Mustang(開発コード名)」の開発中である。

 2000年第2四半期の見通しも明らかにした。Athlonの出荷個数は180万個を見込む。第1四半期に比べて5割り増しである。四半期ごとに50%ずつ積み増している格好だ。

 フラッシュ・メモリも好調を持続している。売上高は3億2700万ドルで,前期比19%増,前年同期比150%増となった。「フラッシュ・メモリは2001年まで需要が供給を上回る」(AMD社)と予測する。

 また通信向けLSI部門「Communications Group」は,前期比7%増,前年同期比59%増を記録した。AMD社は同部門を99年10月に売却すると発表していたが,この3月31日に一部見直すことを明らかにした。同部門のうち,EhternetコントローラやHomePNA準拠の家庭内ネットワーク向けLSI,無線LAN LSIなどを手掛けるNetwork Products Divisionの売却は取りやめ,手元に置く。通信インフラ向け半導体のCommunications Products Divisionの資産に関しては,引き続き売却先を探すというもの。


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