(2000.11.30,Meg Walker=TechWeb News http://www.techweb.com/news/)

 「企業はWAP対応電話機に資金を注ぎ込むべきでない。WAPは“開花”する環境がまだ環境が整っていない。次世代ソリューションを待った方がよい」。米Neilsen Norman Groupが米国時間11月30日に調査結果を発表した。ユーザビリティの分析を専門とするJakob Nielsen氏が90ページの調査報告をまとめたもの。

 調査は,「携帯電話の利用が進んでいる」(Neilsen氏)場所として英国のロンドンで実施した。20人にWAP対応電話機を1週間にわたって試用してもらい,その声をまとめた。ユーザーは日記形式で記録をつけ,タスクの実行にかかる時間を計測した。

 それによると,「ニュースのヘッドライン,TV番組表,天気予報などといったWWWサービスへのアクセスに時間がかかりすぎる」との声が多く上がった。例えば,天気予報を初めてチェックするのに2分42秒かかり,1週間使いこなした時点でも1分54秒を要した。「WWWの利用には通信費がかかるため,こうしたタスクは30秒未満ですむように設計すべき」とNeilsen氏は指摘する。

 また,WWWブラウザの設計やメニュー選択の項目が十分でないとのコメントに加え,ネットワークのダウンや電話機が作動しなくなるなどといったシステムの障害も報告されたという。

 「1年以内にWAP対応電話機を利用してみたいと思うか」との質問に対しては,70%が「ノー」と回答した。「3年後くらいに買ってみようと思う」と考えている人は80%近くに達した。こうした回答から,Neilsen氏は「ユーザーが,モバイル・インターネットの将来性について期待を抱いていることは明らかである」と分析する。

 Nielsen氏はTechWebの電話インタビューに応じ,「WAP技術が開花する具体的な時期についてははっきりとしないが,2~3年はかかるだろう」「次世代技術は,伝送速度やハードウエア,プロトコルなどといった面で,WAPをはるかに超える性能を備え,使い勝手も向上する」などと説明した。

 WAP技術の国際標準化を進める業界団体WAP ForumのCEOであるScott Goldman氏は,Techwebの電話インタビューに滞在先のロンドンで応じ,Neilsen氏が行った調査の方法やその結論について非難した。

 「Neilsen氏の結論は,あまりにも短期的な視点に基づくもので,サンプル数も少なすぎる。20人が1週間利用した結果ではなく,英国ですでにWAPサービスを利用しているユーザー50万人を対象に調べたらどうか」(Goldman氏)。

 また,WAPのネットワークの通信速度が遅いというNeilsen氏の指摘については,「それは商用ネットワークにおける現時点での問題であり,我々はネットワークの向上に努めているところだ」(Goldman氏)。

 さらにWWWサイトのメニューが使いにくいことに関しては,「WAP Forumは,WAP対応電話機向けのハードウエアやソフトウエアに関し,1999年春に承認制度を導入した。WWWのなかには今後も十分に設計されていないものが出てくるかもしれないが,これまでの問題点については改善がなされている」(同氏)。

 Goldman氏は,「WAP技術はまだ開発されて1年半あまり。現時点では技術的にも途上である」として,問題点があることについては認めた。

 しかし,「企業にとって,WAP対応電話機は利益を生み出す申し分のない投資対象となる。デスクトップ・パソコンに対応する端末としても機能し,生産性の向上を図れる。外出先でのメール・チェックをはじめ,在庫やデータベース,出荷状況,支払い状況などの確認ができるという点で,有益な業務ツールとなる」と強調した。

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[Neilsen社の発表資料]

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