Economist Group社の企業間(BtoB)事業部門Economist Intelligence Unit(EIU)と米Towers Perrinが米国時間1月24日に,ニュー・エコノミーで成功するための企業戦略などについて調査した結果を発表した。グローバル企業の上級マネージャ227人を対象にして北米,欧州,アジアで実施したアンケートなどをもとに,分析した結果である。
「高い実績をあげている企業は,従業員を重視している。従業員は,顧客への優れた対応,技術革新,新製品といったニュー・エコノミーでの成功を生み出す重要な資産である」(Towers Perrin社グローバルTotal Rewardsコンサルティング・グループ主席のEmmett Seaborn氏)。
高い実績をあげている企業は一貫して,技術革新,製品のカスタマイゼーションなどに注力しており,コスト管理,事業の効率化や統合整理はそれほど重要視しない。これらの企業の主な方針は以下の通り。
・顧客に有意義な価値を提供し,競合社より優位に立つ。
・従業員の日々の決断や行動が業績に影響を与えることを認識している。
・革新性のある従業員を採用する。
・個人や部門の業績に基づいた報酬を,数年以内に実施する。
・従業員にキャリア向上の機会を与え,やりがいのある仕事を任せる。
しかしながら,e-businessの変革に順応できると考えている企業はほんのわずかである。e-businessの世界で自社が「競合社より優れている」という回答者は13%だけだった。50%は「競合他社に対抗できる」とし,34%は「競合他社より劣っている」と答えた。
高い実績をあげている企業は変革への適応力にもっと自信をもっており,すでにニュー・エコノミーで競争力をつけるための戦略に焦点をあてている。優れた製品とサービス,CRM(customer relationship management),ブランド,世界的な業界指導力などである。
現在,企業が注力する主な内容は「利益性の向上」(「非常に重要」または「重要」とした回答者の割合は35%),「コスト管理」(同26%),「買収による成長」(同21%)だが,2003年には「技術革新」(同27%),「新たな市場」(同15%),「新製品とサービス」(同25%),「電子商取引向け販売ソリューション」(同19%)を重視するようになるだろう。
人材については,開発者や知的資産をもった従業員が現在の事業変革において重要な存在となる。各分野で知識やスキルを持つ人材の需要は急激に高まっている。
回答者の82%は,スキルの有無が2003年には重要視されるだろうとしている。しかしスキルをもった従業員の数は不足しており,回答者の63%が現在の課題として「従業員のスキル向上」を挙げた。
回答者の77%は「eリテラシ(オンラインに関する素養)」が将来重要なスキルになると考えているが,自社の従業員が現在そのスキルを持ち合わせているとする回答者はわずか18%だけである。
また,金融サービス,ハイテク関連,メディア関連,製薬関連企業では,退職や転職により今後10年で65%以上の従業員が入れ替わるとみられる。企業は新たな従業員,とりわけスキルや能力のある人材の獲得に頭を悩ませることになるだろう。72%の回答者は,重要な人材の採用と確保を戦略実践の課題としてとらえている。
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「従業員のスキル不足に頭痛めるハイテク企業」と英エコノミスト
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